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ホークスと「タカガールデー」の心。
10月こそ球場をピンクに染めよう。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKotaro Tajiri
posted2020/05/31 19:00
ホークスはピンクリボン運動へも積極的な活動をしてきた球団の1つである。その姿勢は確かな支持を広げている。
妻を乳がんで亡くした鳥越コーチ。
ピンクリボンは、乳がんの正しい知識を広めて、乳がん検診の早期受診の推進などを目的として行われる世界規模の啓発キャンペーンのシンボルマークだ。
ホークスでは「タカガールデー」の前身イベントである「女子高生デー」時代の'09年からピンクリボン運動を行っているNPO法人とずっとコラボレーションしており、選手らが試合前にファンのところへ出向いてリーフレットを手渡しするなど積極的に啓発活動に参加している。
先頭に立ってきたのが現在はマリーンズでヘッドコーチを務めている鳥越裕介コーチだった。'08年に愛妻を乳がんで亡くしており、言葉だけじゃなく活動を通じて知ってもらいたいとホークス球団にピンクリボン運動の存在を伝えたのがきっかけとなった。
そして、「乳がんは早期発見できれば治る確率が高い病気。苦しむ人を1人でも減らしたいし、自分のように悲しい思いをする周りの人間も減らしたい」と毎年目に涙を溜めながら訴えかけてきた。
鳥越コーチが'18年から新天地に移ると、マリーンズでもピンクリボン運動の啓発活動が行われるようになった。そして、ホークスでは中村晃が先陣役を引き継いでいる。
「鳥越コーチの奥様が亡くなられたのは僕がプロ1年目の時でした。選手はみんなショックを受けました。この活動を通じて、1人でもそのような人が少なくなるように、自分もその活動に協力していければと思います」と思いを口にした。
無料でのマンモグラフィも。
「タカガールデー」でのピンクリボン運動の呼びかけも当初に比べて規模が大きくなってきた。'17年からは乳がん検診車をドームに呼び、昨年は40歳以上の女性を対象に無料でマンモグラフィによる乳がん検診の受診ができるようにもした。
また、試合中継などを通じても発信できるように、昨年の試合では選手たちもピンクリボンユニフォームを着用して試合に臨んだ。