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ブンデス無観客試合で再開決定に、
原口元気&細貝萌の言葉を思い出す。
posted2020/05/08 11:00
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Getty Images
僕の住むドイツ・フランクフルトは、新型コロナウイルスの流行により州から行動制限が課せられています。ただ、ブンデスリーガが中断した3月中旬の時期に比べると、その制限措置も次第に緩和されつつあります。
これまではスーパーマーケットなどの食料品店や薬局、銀行、郵便局など限られた業種のみが営業を許可されていましたが、約2週間前からはレストラン、カフェ、バーなどの飲食店以外の小規模店舗で営業が再開されています。ちなみに、飲食店もテイクアウトのサービスは許可されているので、以前よりも街中に人の姿が見られるようになりました。
ドイツ国内の情勢に沿って、ブンデスリーガもリーグ再開の道のりを模索してきました。そして、5月6日の政府会議で5月中の再開が承認されたことで、ドイツサッカーリーグ機構(DFL)は各クラブへ試合開催への準備を要請。16日からの再開が発表されました。
試合再開と選手の負担の大きさ。
今回の決定で最も影響を受けるのは、おそらく選手だと思います。
ブンデスリーガの各クラブはリーグ再開に備えてすでにトレーニングを行っていますが、ウイルス感染拡大防止のために少人数のグループに分かれ、対人プレーなどの接触機会を避ける練習内容に絞っている状況です。
つまり、選手たちは中断期間に低下したコンディションの再構築を迫られたわけで、実戦でプロフェッショナルに相応しいプレーを見せるためには、その下地作りが必要となります。
コンディションを取り戻すためには、少なくとも約2週間の準備が必要になるでしょう。5月6日の承認から11日後の5月16日にリーグが再開されるとなると、選手側の負担は大きいと言わざるを得ません。したがって、5月下旬の再開が望ましいと提言するクラブもあります。
また、1部、2部ともリーグ戦9~10試合を残すなか、すべてのゲームが無観客での実施が前提となります。なぜならば、ドイツ政府は先に国内での大型イベントを8月31日まで禁止する方針を発表しているからです。