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感染リスク、中立地開催案で“内戦”。
プレミア再開は本当に実現できるか?

posted2020/05/08 20:30

 
感染リスク、中立地開催案で“内戦”。プレミア再開は本当に実現できるか?<Number Web> photograph by Getty Images

リバプール本拠地のアンフィールドのピッチには、NHSへの感謝を伝えるメッセージが刻まれている。

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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 本来であれば2019-20シーズンのイングランド・プレミアリーグが閉幕する5月。国内北西部では、遅くとも4月のうちに王者となっていたはずのリバプールの地元ファンが、30年ぶりに味わうリーグ優勝の余韻に浸っていたことだろう。

 中部近くのシェフィールドでは、サポーターが昇格1年目にまさかのトップ6フィニッシュという期待を胸に抱いていた可能性がある。南東部ロンドンでも2部上位のブレントフォードが、新スタジアムで迎える来季をプレミアの一員として戦う夢をファンに見せていたかもしれない。

 だが新型コロナウイルスが猛威を振るう現実では、非常事態が続いている。テレビの衛星局にチャンネルを合わせれば、毎日のように過去の名勝負を観ることができる。

 しかし、興奮をもたらすリアルタイムの試合はない。

 誰もが取り戻したいと願う普通の日常生活。この国では、その生活の一部として「生のサッカー」が存在する。果たして“ノーマル奪回”への第一歩とも言える、今季再開の願いは叶うのか?

 答えは「イエス」だと言いたい。

ジョンソン首相と政府も再開を望む。

 感染から立ち直ったボリス・ジョンソン首相を筆頭とする英国政府が、国民のスピリットを高めるためにもシーズン再開を望んでいる。首相が「感染の峠は越した」と認め、ロックダウンの段階的な緩和も検討され始めており、デジタル・文化・メディア・スポーツ大臣の監督下でプロスポーツ界の再始動に向けた話し合いもスタートした。

 なかでも代表格のプレミアリーグでは、通称「プロジェクト・リスタート」こと、今季再開計画案が練られている。

 2カ月ほど前、ミケル・アルテタ監督の感染が明らかになったアーセナルでは、4月の最終週から個人練習を目的とした練習場通いを許可。他クラブも5月の第3週にはボディコンタクトを含むチーム練習へステップアップする予定で、リーグ再開に備えるシナリオが検討されている。

 ただし、早ければ6月第2週に戻ってくる可能性のあるサッカーは、やはり“ニュー・ノーマル”の一部という域を超えられそうにはない。

【次ページ】 無観客+最大10会場の中立地開催。

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