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ジョンソン首相、ペップ母に名選手。
欧州の有名人コロナ禍に乱れる心。 

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長谷部良太

長谷部良太Ryota Hasebe

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photograph byGetty Images

posted2020/05/06 08:30

ジョンソン首相、ペップ母に名選手。欧州の有名人コロナ禍に乱れる心。<Number Web> photograph by Getty Images

入院ののち、公務に無事復帰したジョンソン首相。有名人が感染する前から警戒は強かったというが、大きな衝撃が走ったという。

心をむしばまれるアスリートたち。

 命を奪われないまでも、心をむしばまれるケースが出ている。

 国際プロサッカー選手会によると、鬱症状を訴える選手の割合が急増した。各国政府による外出規制が強まった3~4月にかけ、欧米諸国を中心に1602人を調査したところ、男子は13%、女子は22%から鬱病と一致する症状の報告があったという。昨年12月~今年1月に行った同様の調査では男子6%、女子11%で、ともに倍増していた。

 選手会の医師は「若い選手たちは(外出規制による)突然の社会的孤立やサッカーの中断、将来への不安に直面している」と述べ、社会全体が同様の問題を抱えている可能性を危惧。場合によっては信頼できる周囲の人や専門家に相談することを勧めている。

 徐々にではあるが、欧州各国は外出などの規制緩和に向けた動きを見せ始めている。それはスポーツ界も同様。背景には莫大なテレビ放映権料の存在がある。国際会計事務所KPMGの試算によると、欧州サッカーの5大リーグが打ち切られた場合、損失は計40億ユーロ(約4640億円)に上るという。

 だが、また感染が拡大すれば再び社会は停止し、スポーツイベントのさらなる中断は避けられない。選手や関係者の健康第一を前提に、各団体とも手探りで適切な再開のタイミングを模索している。

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