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ジョンソン首相、ペップ母に名選手。
欧州の有名人コロナ禍に乱れる心。 

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長谷部良太

長谷部良太Ryota Hasebe

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photograph byGetty Images

posted2020/05/06 08:30

ジョンソン首相、ペップ母に名選手。欧州の有名人コロナ禍に乱れる心。<Number Web> photograph by Getty Images

入院ののち、公務に無事復帰したジョンソン首相。有名人が感染する前から警戒は強かったというが、大きな衝撃が走ったという。

1966年W杯優勝メンバーも。

 元イングランド代表も犠牲になった1人だ。
 1960~70年代にDFとして活躍したノーマン・ハンター氏。第2次世界大戦中の1943年10月に生まれ、電気技師になろうと15歳で学校を卒業したが、スカウトされてリーズに加入。18歳でトップチームデビューを果たした。

 強靱な足腰を誇ったセンターバック。果敢に相手のボールを奪う姿から、サポーターは“NORMAN BITES YER LEGS”(ノーマンはお前の足にかみつく)の脅し文句を記した旗で相手チームを「威嚇」した。

 ハンター氏は2度のリーグ優勝に貢献するなど、リーズの黄金時代をけん引した。移籍するまでの14年間で公式戦726試合に出場。クラブを象徴するレジェンドに敬意を表し、本拠地のレストランは「ノーマン・ハンター・スイート」と名付けられている。1966年にはワールドカップ(W杯)イングランド大会で代表入りし、出場機会はなかったものの優勝メンバーに名を連ねた。

 ハンター氏の死はリーズが発表した。ウイルス感染による入院から1週間ほど経った4月16日、クラブ公式サイトは「ノーマン、頑張って。みんながついています」と激励のメッセージを送った。だが、その思いが届くことはなく、翌日に帰らぬ人となった。76歳だった。

オリンピアン、NFLの伝説的選手。

 欧州最多の2万6000人以上が亡くなっているイタリアでは、元オリンピアンが命を落とした。1984年ロサンゼルス、88年ソウル両五輪の陸上男子800メートルに出場したドナト・サビア氏。五輪では2大会とも決勝に進み、5位と7位の成績を残している。

 サビア氏は4月8日、生まれ故郷のイタリア南部ポテンツァにある病院で56歳の若さで亡くなった。同国オリンピック委員会は悲しみの知らせとともに、新型コロナによる死は五輪のファイナリストとしては初めてのケースだと伝えた。

 世界で最も新型コロナ感染による死者が多い米国では、ナショナル・フットボールリーグ(NFL)のOBで、伝説的なキッカーとして知られるトム・デンプシー氏が73歳で亡くなった。感染後の合併症が原因という。生まれつき利き足の右つま先と右手の指が欠損していたが、ハンディーを物ともせず、1970年に決めた63ヤード(約58メートル)ものフィールドゴールはその後40年以上、最長記録として君臨し続けた。

【次ページ】 心をむしばまれるアスリートたち。

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