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バク宙もスキーもこなすマスコット。
J3鳥取ガイナマンの本音訊いてみた。
posted2020/05/02 09:00
text by
石倉利英Toshihide Ishikura
photograph by
GAINARE TOTTORI
近年はシーズン開幕前に「総選挙」が行なわれるなど、各クラブのファン・サポーターにすっかり認知されているJリーグのマスコット。1993年のJリーグ開幕と前後して各クラブで誕生し、Jクラブが増えるたびに新しく登場したり、既存のマスコットに家族ができたりと、様々な広がりを見せている。
そんなJリーグのマスコット界に「革命」が起きたのは、2012年2月だった。前年にJ2に昇格してJリーグに参入し、2年目のシーズン開幕を控えていたガイナーレ鳥取が、クラブ初のマスコットを発表する。周囲を驚かせたのは、そのデザインだった。
頭をヘルメットのような装具で覆い、腕や背中からは白い羽が生えている。ライトグリーンを基調とし、スリムな体型でポーズを決める姿は、テレビの特撮シリーズに登場するヒーローのよう。Jリーグ史上初となる「ヒーロー系マスコット」が姿を現したのだ。
「ほかのクラブとは違うものを」
当時、鳥取のゼネラルマネジャー(GM)としてマスコット誕生に携わり、現在はJ3・福島ユナイテッドFCのGMを務める竹鼻快氏は、こう振り返る。
「2007年にガイナーレ鳥取のGMに就任し、Jリーグ参入を目指す中で、ファン・サポーターの方々から『ガイナーレにマスコットはいないの?』と聞かれることが増えていました。Jリーグに参入して、いよいよマスコットを作ろうということになり、他のクラブとは違うものを作りたいと考えたんです」
Jリーグのマスコットは、ホームタウンにちなんだ動物をモチーフにしたものが多い。しかし、それではオリジナリティーに欠けると考えた竹鼻氏は、子供たちに人気があり、サッカーに興味がない人にも興味を持ってもらえそうな「ヒーロー」をモチーフにしようと考えた。