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センバツ21世紀枠・平田高校の強み。
植田監督が語る「目に見えない力」。

posted2020/03/03 20:30

 
センバツ21世紀枠・平田高校の強み。植田監督が語る「目に見えない力」。<Number Web> photograph by Yu Takagi

出雲高校を2016年夏の甲子園に導いた手腕を持つ植田悟監督。平田高校として初となる甲子園の舞台で、どんな野球を見せるか。

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高木遊

高木遊Yu Takagi

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 21世紀枠に選出され、春夏通じて初の甲子園出場を決めた島根県・平田高校。全国高校駅伝に9年連続出場中の女子陸上部、全国制覇を経験する選手も生まれた柔道部など、全校生徒464人ながら部活動は盛んな高校だ。

 同校野球部を率いるのはOBで就任4年目を迎える植田悟監督、48歳。チームスタイルを「目に見えない力で勝つ野球なんです」と表現する。

 出雲大社で有名な出雲市にある同校だが、“見えない力”と言っても何も神頼みのことではない。

 21世紀枠選出理由は過疎化と野球人口減少が進む旧平田市地域で、野球部内に「普及班」を設け、幼稚園や保育園の園児らを対象に野球体験教室を開くなど自主的に活動している点、作製した練習のマニュアルが県内外で参考にされたことが挙げられる。

 もちろん、2年続けて秋季中国大会に進出するなど、公立校ながら実力もつけてきた。ちなみに昨年も21世紀枠の最終候補になり、補欠校に選出されている。

 また植田監督は、平田高校のほど近い距離にある出雲高校を2016年夏の甲子園出場に導いた手腕の持ち主だ。近隣には体育科を持つ大社高校がある中で、県ナンバーワンと言われる進学校の選手を鍛え上げての快挙だった。

 その手腕のもとになるのは一体どんな指導理念なのだろうか。

マネージャーを入れて22人の小所帯。

 電鉄出雲市駅から一畑電車の2両編成の電車に揺られ、しばらくするとのどかな田園風景が広がる。20分ほどで平田高校の最寄り駅である「雲州平田駅」に到着する。松江方面からも約40分と、交通アクセスは良い。

 だが、それゆえに“流出”は多い。駅を降りると、逆に電車に乗り込んでいく学生服やジャージ姿の多さに気づく。

「勉強ができる子は出雲高校に、野球が上手い子は大社高校とかに行きますね。みんな都会に出たがるんですよ。ここに比べたらですけど(笑)」

 植田監督が話すように、選手集めは容易なことではない。現在選手は2学年合わせて19名のみ。女子マネージャーを入れても部員22名の小所帯だ。

【次ページ】 守備は“セットプレー”の概念。

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