酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
坂本勇人、鳥谷敬、ジーター。
名ショートと守備範囲の数値「RF」。
posted2020/02/03 11:15
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
「遊撃手」と言うポジションは、ドミニカ共和国などでは「花形」で、子どもたちは投手よりもショートストップにあこがれるという。
わかる気もする。猛ゴロに逆シングルで飛びついてジャンピングスローで送球するなんてプレーは胸がすくし、野球センスが一番発揮されるポジションなのかもしれない。
それだけに激職のポジションで、誰でもやすやすと務まるわけではない。そして年齢とともにパフォーマンスがはっきり落ちる傾向がある。
特にNPBでは、ショートに“定年”があるのではないかと思うほどだ。
歴代の名ショートの出場試合数は
以下はNPBの遊撃手出場試合数10傑である。坂本以外のカッコ書きは、遊撃手としての出場がシーズン出場試合数の50%を割った年齢、転向したポジションである。
1 石井琢朗 1767試合
(40歳 三塁手)
2 鳥谷敬 1761試合※
(36歳 三塁手)
3 吉田義男 1730試合
(34歳 二塁手)
4 坂本勇人 1646試合※
5 豊田泰光 1579試合
(31歳 一塁手)
6 白石勝巳 1561試合
(38歳の引退まで遊撃手)
7 高橋慶彦 1543試合
(33歳 指名打者のち外野)
8 松井稼頭央 1531試合
(39歳 三塁手)
9 井端弘和 1525試合
(39歳 三塁手)
10 小池兼司 1494試合
(35歳の引退まで遊撃手)
※は現役
なお井端は35歳で二塁手にコンバートされ、37歳で遊撃に戻り、39歳で三塁手になった経緯がある。
小池などプロ野球草創期から昭和中期までの遊撃手は選手寿命が短く、遊撃手のまま引退するケースもあった。この中にはないが、殿堂入りしている廣岡達朗も34歳まで遊撃手ひと筋で引退している。
しかし昭和後期以降の遊撃手は、キャリア終盤には他のポジションに配置転換されるのが一般的だ。