では、坂本の数値はどうなっている？

　そこで気になるのは巨人の坂本勇人だ。彼は鳥谷と入れ替わるような形で、攻守ともにナンバーワンの遊撃手になっていく。

　以下、2012年からの坂本の遊撃手としてのRF（1試合当たりの守備機会）、リーグ順位と打率の推移である。

2012年　23歳
RF 4.82（1位）打率.311（2位）
2013年　24歳
RF 4.96（1位）打率.265（17位）
2014年　25歳
RF 4.69（1位）打率.279（16位）
2015年　26歳
RF 4.65（2位）打率.269（16位）
2016年　27歳
RF 4.72（2位）打率.344（1位）
2017年　28歳
RF 4.73（2位）打率.291（9位）
2018年　29歳
RF 4.71（2位）打率.345（2位）
2019年　30歳
RF 3.92（4位）打率.312（5位）

　鳥谷のRFが下落した2014年以降、坂本は広島の田中広輔、中日の京田陽太らと遊撃守備トップの座を争ってきた。この間、打撃成績も進境を見せ、2016年以降、打率はベスト10をキープ。昨年は遊撃手として史上2人目の40本塁打を打つなど、素晴らしい活躍を見せた。

　しかしRFに関しては3.92で、長年続いていた4点台を割り込んだのだ。

石井琢朗を抜いて1位も見える中で。

　31歳とまだ老け込む年齢ではないが、坂本は正遊撃手になって今年で13シーズン目。レギュラー出場を続ければ、遊撃手としての出場試合数は石井を抜いて史上1位になる。勤続疲労は相当なものだろう。

　坂本は今季、31歳のうちに2000本安打を達成する可能性が高い。さらに2500本、3000本安打と積み重ねていく期待が高まっている。

　打者・坂本勇人を優先するために、野手・坂本勇人の負担を軽減することをそろそろ考えるべき時に来ている、とも取れる。

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