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J2からJ1への“個人昇格”が急増。
全ポジションリストと流行の理由。
posted2020/01/17 11:50
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
J.LEAGUE
これはもう、一時的なトレンドではない。
J1のクラブによるJ2の選手の獲得である。
2020年シーズンへ向けた国内の移籍市場では、J1のクラブに引き抜かれるJ2の選手が、例年以上に多い印象がある。ざっと30人あまりの選手が、J1への“個人昇格”を果たしているのだ。
'19年シーズンJ2得点王のレオナルドは、アルビレックス新潟から浦和レッズへステップアップした。この22歳のブラジル人ストライカーは、来日1年目の'18年にガイナーレ鳥取でJ3得点王にも輝いている。浦和が昨シーズンまでのシステムを継続するなら、ポストプレーヤーではない彼の適正ポジションはシャドーになりそうだ。
V・ファーレン長崎でJ2日本人最多の22ゴールを記録した呉屋大翔は、所属元のガンバ大阪から柏レイソルへ完全移籍した。長崎では不動の得点源として攻撃を支えたが、柏の前線には昨シーズンJ2得点ランク2位のケニア代表オルンガ、同19得点のクリスティアーノ、同11得点の江坂任らが揃っている。
J1ではほぼ実績のないプロ5年目の26歳が、ネルシーニョ監督の信頼をつかめるか。そのためには3トップのサイドへの適応なども、必要になっていくだろう。
呉屋に続いて日本人2位の17得点を記録した一美和成は、期限付移籍先を京都サンガから横浜FCへ変えた。東京五輪世代の22歳は昨年12月にU-22日本代表に初招集され、大勝したU-22ジャマイカ戦で得点を決めた。新天地では皆川佑介やイバと、3トップ中央のポジションを争うことになる。
山形のドリブラーに、京都の両翼。
サイドアタッカーも複数人がJ1へ引き抜かれた。
モンテディオ山形のJ1参入プレーオフ進出に貢献した坂元達裕は、セレッソ大阪の一員となった。右サイドからのカットインが得意なレフティーで、相手の守備を剥がすドリブル突破が目を引く。
京都の両サイドを担った仙頭啓矢は横浜F・マリノスへ、小屋松知哉は鳥栖へ加入した。プレーオフ決勝まで勝ち残った徳島ヴォルティスの杉本竜士は、F・マリノスのユニフォームを着る。
ファジアーノ岡山でチーム2位の15得点をマークした仲間隼斗は、昇格組の柏でJ1の舞台に挑む。2列目からの飛び出しでゴールシーンに絡んでいくのが持ち味だ。