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サウジ戦PK献上は「ありえない」。
DF岡崎慎、這い上がるための教訓。
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byJFA/AFLO
posted2020/01/11 11:40
サウジアラビア戦、3バッグの中央でスタメン出場を果たした岡崎慎(清水)。終盤にPKを献上し、1-2で敗退した。
今季は清水へ移籍「いい幕開けに」。
ただ、昨年は本人にとっても不甲斐ない1年となった。FC東京で徐々に出場機会を得られるようになったものの、大きなインパクトを残すことができなかったからだ。
「昨年は自分としては悔しいシーズンでした。本当に監督をはじめ、スタッフの方々にあれだけ期待してもらって、試合でも使ってもらって、すごく感謝している1年だけど、なかなか結果を残すことができず自分的には悔しかった」
年を跨ぎ、先日にはFC東京から清水エスパルスへの期限付き移籍が発表された。次なる新天地で活躍するためにも、ここでしっかり結果を残す。試合前には今大会にかける思いの強さを感じさせた。
「この大会からシーズンが始まる。絶対にいい幕開けにしたい。ここが本当にスタートだと思っているし、自分自身のレベルアップができる大会だと思っている。今回、自分が移籍することになったので、そういった意味ではいろいろな人が見ていると思う。そういう人たちのためにも絶対に頑張らないといけない。
一番大事なのはチームとしてどれだけ勝ち進めるか。(日本が)開催地で五輪に出られることが決まっているからと言って、ここで予選敗退していたら結局五輪を戦う力がないじゃないかと言われてしまう。そういう意味も込めて、絶対に勝たなければいけないと思います」
「主導権を握れるぐらいじゃないと」
サウジアラビア戦では要所で良さは見られた。相手をおびき寄せながらボールを動かし、ボランチと連携を取りながらボールを前線に運ぶ。自身の特徴を生かしつつ、チームとしての狙いを遂行した。
ただ、1つのミスで評価は大きく変わってしまうもの。あの失点はすべてが岡崎のミスとは言えないが、ディフェンス陣の判断の迷いが起こした結末であったことは間違いない。岡崎は自戒を込めながら自身のパフォーマンスについて言葉を連ねた。
「個人として、90分間を通していい試合ができたかというと絶対にそんなことはない。要所でいい場面はあったけど、サウジアラビアをコントロールできていたかと言うと、そうではない。相手の圧に押されて下がったり、相手に剥がされたり、そういう場面はあったと思う。そういうところで90分間を通して自分たちが優位に立って戦わないといけない。逆に主導権を握れるぐらいじゃないと絶対にこれから先、良くなっていかないと思う」