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サウジ戦PK献上は「ありえない」。
DF岡崎慎、這い上がるための教訓。

posted2020/01/11 11:40

 
サウジ戦PK献上は「ありえない」。DF岡崎慎、這い上がるための教訓。<Number Web> photograph by JFA/AFLO

サウジアラビア戦、3バッグの中央でスタメン出場を果たした岡崎慎(清水)。終盤にPKを献上し、1-2で敗退した。

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林遼平

林遼平Ryohei Hayashi

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 その時は突然訪れた。

 後半40分。ボールを受けようとした岡崎慎は、古賀太陽からのパスが背後を通ったことで一瞬、迷いが生まれる。GKの大迫敬介と古賀の目が合っていると思いつつも、パススピードが弱い。それでも球筋は大迫の方に向かっている。結果、すぐに頭を回転させて“素早く戻る”選択肢に切り替えたが、その一瞬の判断の迷いが相手の反応よりも遅れる形となってしまった。

 そして、ゴール前での対応となり、大迫との連携がうまく取れず、相手と接触。VARは見逃してくれなかった。PKを宣告されると、これを相手に決められて決勝点を献上。大事な初戦を痛恨のミスで落とすことになった。

「あのミスは自分のせいだと思っている。それに、その後にどうにかしてリカバーすることもできたと思う。あんな失点の仕方をしていたら、こういう大会だったら絶対に勝てない。特に終盤のあの時間帯に失点というのは、本当にDFとしてありえないと思う」

 後悔の言葉が続く。

「負けている以上、いいところは1つもない。自分自身としては攻撃、守備どちらも要所でいいところはあったと思うけど、結局負けているので全然良くなかったかなと思っています」

 先発を任された中でチームを勝利に導けなかった責任。指揮官の期待に応えられなかったこと。様々な思いを抱えながら、岡崎は静かに会場を去ることしかできなかった。

3バックの中央は、信頼の証。

 8日にタイで開幕したAFC U-23選手権。日本は9日に初戦のU-23サウジアラビア代表戦を迎えた。

 注目された中央のCBには、ここまで多くの試合で任されている立田悠悟ではなく、昨年末に長崎で行われたU-22ジャマイカ戦で勝利に貢献した岡崎が先発のリストに名を連ねた。

 海外組の冨安健洋を含めたポジション争いが繰り広げられる中、なかなか招集できない冨安を除くと、ここでの先発は森保一監督からの信頼の証だと言っていいだろう。

 東京五輪世代となるU-23日本代表では徐々に評価を高めてきた形だ。'18年のアジア大会で初めて招集されると、その後、昨年のトゥーロン国際大会や北中米遠征でもメンバー入り。そこでのプレーぶりが指揮官の目に止まった。自身の特徴である後方からのビルドアップを武器に、周りを動かしながらボールを回し、精度の高いフィードで相手の背後を突く。さらには自分からボールを持ち出すことで状況を打開できるのが岡崎の良さである。

【次ページ】 今季は清水へ移籍「いい幕開けに」。

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