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なぜ日本のスケートボーダーは、
わずか数年で世界的に強くなったのか? 

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吉田佳央

吉田佳央Yoshio Yoshida

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photograph byYoshio Yoshida

posted2019/12/28 08:00

なぜ日本のスケートボーダーは、わずか数年で世界的に強くなったのか?<Number Web> photograph by Yoshio Yoshida

左から、2012年時の増田竜万、堀米雄斗、池田大亮。幼い時から、家族や周囲の協力もあってスケートボードに親しめた世代の選手たち。

次々と頭角を表す次世代ライダーたち。

 今シーズンで注目したいのが、西村、堀米に続く新たなライダー達の出現だ。

 男子ストリートでは白井空良、女子ストリートでは織田夢海、そして女子パークでは岡本碧優らが世界を舞台に活躍し始めており、特に岡本碧優に至っては世界デビューからわずか1年ほどで、現在国際大会を6連勝中と女子パークでは向かうところ敵無しの状態。東京五輪でも金メダルに最も近いとまで言われるほどの逸材である。

 このように日本のスケートボードシーンは、たった3年で世界のトップと肩を並べるにまで急成長した。しかも次々とニューフェイスが出現している実情を踏まえると、この現象が一過性のもので終わることもないと思われる。

 ではなぜ日本のスケートボーダーは、わずか数年で世界で勝てるようになったのか?

 その理由を業界関係者の言葉から解き明かしていきたい。

「ファミリースポーツ」への変化。

 まず、日本国内で30年以上にわたりコンテストを開催し続けている唯一の機関である「AJSA(日本スケートボード協会)」に話を聞いてみた。そこで、この業界が歩んできた道筋を垣間見ることができた。

「2010年代に入って急速に進んだ出場選手の低年齢化が、世界で勝てるようになったひとつの要因でしょう。もちろんそれはただ単に低年齢化したということではありません。その背景にはスケートボードというジャンルが、ようやく親子で楽しめるところまで成熟してきたということがあるのです。

『ファミリースポーツ』への変化として、少年野球や少年サッカーとか……そういったものに着実に近づいており、親世代からの認知度もこの10年で確実に変わったのを実感しています。そしてその流れの走りとなった世代の代表格が、今や世界ランカーとして活躍している堀米雄斗や西村碧莉なのです。彼らが体力的にも成熟した年齢を迎えたことで、その才能や努力が花開いたと言えます」

【次ページ】 才能ある選手の海外派遣プラン。

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