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リバプール世界一、今まさに黄金期。
そこに南野拓実が加わるハッピー。 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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posted2019/12/24 20:00

リバプール世界一、今まさに黄金期。そこに南野拓実が加わるハッピー。<Number Web> photograph by Getty Images

38年前、東京・国立競技場で屈したフラメンゴを倒してのクラブ世界一。リバプールは名実ともに世界No.1のクラブとなった。

1981年・国立でフラメンゴに敗戦。

 今回カタールのドーハで対峙したのもブラジル勢、それも1981年に東京の国立競技場で世界一の称号を掠われた相手、フラメンゴだった。

 38年前の一戦では、ジーコを擁するリオデジャネイロの人気クラブに0-3で完敗。その時の雪辱と初の世界一を果たすべく、クロップ監督はリーグカップを犠牲にして(12月17日のリーグカップ準々決勝では、平均年齢19歳のチームで臨み、アストンビラに0-5と大敗)、コンディションが万全ではない選手も含め、フルメンバーを組んで中東へ飛んだ。

 各大陸のクラブ王者が集まるこの大会には、必然的にレベルの異なるチームが集まる。フットボールの中心地である欧州覇者にとって、スタンダードはリーグ戦やチャンピオンズリーグの大一番より劣るものかもしれない。

 けれど、そのほかの参加クラブからすれば、欧州王者の首こそ、最高の勲章となる。選手たちは自身のステップアップのためにも、この舞台でアピールしたいはずだ。

 リバプールの初戦となった準決勝の相手、メキシコのモンテレイの選手たちも闘志をむき出しにして立ち向かってきた。レッズはナビ・ケイタのゴールで先制するも、即座に追いつかれ、最後は終盤に投入されたロベルト・フィルミーノの決勝点で辛勝。GKアリソンら守備陣の奮闘も光った。

今回の決勝戦でも苦しめられた。

 迎えた決勝もスムーズな勝利ではなかった。フラメンゴはポルトガル出身の智将ジョルジ・ジェズスによって、組織的な集団に仕立て上げられ、その枠組みの中で南米らしい個人技も光る。

 リバプールは序盤の決定機を逸すると、前半の残りは主導権を握られた。推定1万5000人と報じられたフラメンゴのサポーターたちの大声援にも、圧倒されかけた。

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