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セリエAの“忘年会事情”が面白い。
着こなしで「8点」の高評価は誰だ。
posted2019/12/25 15:00
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
スターターは「イタリアン・スタイルの牛肉寿司」。そこから「カルチョーフィとパルミジャーノ・チーズのリゾット」が続いて、メインは「仔牛のロースト、ポテトムースと黒トリュフ添え」。最後はデザート・ビュッフェで締める。
今年のインテルの“忘年会”、クリスマスディナーのメニューだ。
お祝い事に付きもののスプマンテ(発泡ワイン)や高級ワインは飲み放題だし、帰りにはお土産もついてくる。配膳やお酌をこなすのはウェイター、余興を務めるのは芸人という具合に本職の仕事。すべての経費は当然、会社持ち。出席しない職員はいない。
例年12月中旬をピークに、セリエAクラブはクリスマスディナーという名の忘年会に追われる。カルチョの国のあらゆる職場では、主催者側であろうと参加者側であろうと、クリスマスディナーが年間スケジュール上の重大業務として捉えられている。
“忘年会スルー”はご法度に近い。
芸人、大物歌手が余興するインテル。
「FCインテルナツィオナーレ・ミラノ株式会社」の忘年会はクラブ新オフィスビル近くのイベントスペースを借り切った、豪勢極まりないものだった。
総勢500人にのぼったという出席者は、チャン会長以下役員と大小スポンサー、監督とコーチングスタッフ、選手とその家族、そしてクラブ職員全員の大所帯。招待リストには女子部門選手や先々代モラッティ以下、歴代会長も連なった。
ここぞとばかりに着飾った出席者たちは、コメディアンや大物歌手、DJらによる余興を楽しみつつ、食前酒から最後のデザートまで老舗高級レストランが手がけた料理に舌鼓を打ち、親交を深め、来たる2020年への英気を養った。
年に一度のことだから、とにかく派手にやろうというインテルのクラブ文化が忘年会に現れている。