球体とリズムBACK NUMBER
リバプール世界一、今まさに黄金期。
そこに南野拓実が加わるハッピー。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byGetty Images
posted2019/12/24 20:00
38年前、東京・国立競技場で屈したフラメンゴを倒してのクラブ世界一。リバプールは名実ともに世界No.1のクラブとなった。
「僕らは試合を重ねるごとに強く」
リバプールは後半の序盤にも2度のビッグチャンスを逃し、再びフラメンゴのペースに。しかし、53分のガブリエル・バルボサの鋭いシュートと、70分のオーバーヘッドキックをGKアリソンがセーブ。直後にアレックス・オクスレイド・チェンバレンが足首の負傷で交代を余儀なくされたものの、90分間を無失点で切り抜けた。
スコアレスながら白熱した試合は、延長前半に均衡が破られた。
99分、この日も中盤の底で獅子奮迅の働きを見せた主将のジョーダン・ヘンダーソンが前方に高精度のフィードを送ると、フラメンゴの高い最終ラインの裏に抜け出したサディオ・マネが右から折り返し、最後はフィルミーノが相手の動きを見極めて冷静にネットを揺らした。
この28歳のブラジル代表FWは、同胞たちを相手に前後半に一度ずつ決定機を外しているが、準決勝に続いて英雄となった。
プレミア、CLの23戦で1敗だけ!
「仲間たちのおかげで決勝点を決めることができた」と試合後、フィルミーノは『リバプール・エコー』紙に語った。きっとクロップ監督に負けないくらい白く輝く歯を見せながら。
「簡単な試合ではなかった。フラメンゴはジェズス監督のもとで、非常に良いチームになった。けれど僕らは勝利を誓い、決意を示すことができた。リバプールは試合を重ねるごとに強くなっている」
おそらく、殊勲のストライカーの印象は、多くの人に共通するものだろう。
今季、プレミアリーグでは17試合で16勝1分、チャンピオンズリーグでは6試合で4勝1分1敗。つまり、リーグ開幕前のコミュニティシールドと前述のBチームで臨んだリーグカップ以外では、チャンピオンズリーグ初戦でナポリに敗れただけだ。