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柔道、体操、競泳、バド女子……。
東京五輪代表選考“激戦区”を展望。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2020/01/05 20:00

柔道、体操、競泳、バド女子……。東京五輪代表選考“激戦区”を展望。<Number Web> photograph by AFLO

2019年4月、全日本選手権の個人総合でまさかの予選落ちを経験した内村(中央)。

激戦の柔道男子66kg級。

 日本のお家芸の1つとも言える柔道。

 その代表選考は以下に挙げる3つの項目がポイントになる。

○2019年夏の世界選手権と同年11月下旬の国際大会「グランドスラム大阪」の2大会で優勝し、強化委員会で3分の2以上の賛同を得られた選手

○ワールドマスターズ(2019年12月)、グランドスラム・パリ(2020年2月)、グランドスラム・デュッセルドルフ大会(2020年2月)の3大会の成績を考慮の上、強化委員会で3分の2以上の賛成を得られた選手

○これら2つの条件で内定者がいない階級は2020年4月に発表

 これらの規定にのっとり、いち早く五輪代表内定を得たのが、女子78kg超級の素根輝。

 最初の項目のように、世界選手権、グランドスラム大阪で優勝し、強化委員会でも賛同を得て代表を手にした。

 その他の階級は、激しい争いが続いている。

 激戦と言えるのが、男子66kg級。世界選手権で丸山城志郎が優勝したが、グランドスラム大阪では決勝で阿部一二三が丸山を破り、「待った」をかけた。両者、世界屈指の柔道家だけに、予断を許さない。

 他の階級でも、世界選手権時までは有力と目されていた選手たちと、追いかける立場の選手の差が縮まっているケースは少なくない。今春まで、競争が続くだろう。

内村航平、白井健三の巻き返しは?

 2019年10月の世界体操選手権は、日本体操界にとって、ある意味、話題となった大会でもあった。内村航平、白井健三の2名が代表メンバーに名を連ねなかったからだ。

 当然、彼らも東京五輪へ向けて、巻き返しを図っている。

 注目される団体のメンバー4名の選考は、今年4月の全日本選手権の予選と決勝、5月のNHK杯が対象とされる。それらの成績の上位2名がまず選出されるが、今春のワールドカップの総合成績で規定にのっとり内定者が出たときには、1名の選出となる。

 残る2名の選考は、すでに選出された2名と組み合わせたとき、得点が最大になる、ということが基準となる。

 内村、白井らはこの基準にのっとり、代表争いに挑むことになる。

【次ページ】 ドラマを生む競泳の「一発選考」。

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