Number ExBACK NUMBER
エントリーで1万m29分切りが92名!
箱根駅伝を「選手名鑑」で楽しむ。
posted2019/12/12 20:30
text by
涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph by
Ichisei Hiramatsu
第96回箱根駅伝のエントリーメンバーが、12月10日に発表された。各チームの部内選考を潜り抜けた16名が確定し、世間の雰囲気も「駅伝モード」に突入してきた感がある。
メンバーから外れたことで記者の間で話題になったのが、連覇を狙う東海大「黄金世代」の中心・關颯人、前回6区山下りを担当した中島怜利の4年生2人、そして青学大で2年連続で5区山上りを担当していた4年生・竹石尚人だ。
東海大の両角速監督は、落選の理由を以下のように説明した。
「關は『黄金世代』の中心としてやってきた選手なので残念です。東海大は彼らがいたから上がってこられたチーム。膝とアキレス腱の故障が長引いていて、8割方は回復しているものの箱根には間に合わないと判断しました。ただ、年明けの都道府県対抗駅伝では長野県チームにエントリーもできているので、そこに向けて本人も切り替えてやってくれていると思います。
中島は、ケガからなかなか復帰ができなくて、そこから自信を無くしてしまったという部分が大きいですね。いまは徐々に元気に走っており、一応来年の姫路城マラソンにエントリーはしています。本人が姫路の出身なので、そこで招待選手で走れるくらいは復活してきています」
そしてこう言葉を続けた。
「他の選手の状況がいいんです。層が薄ければ10+6名の中に關も中島も入ったんでしょうけども、今年に関しては層が厚いので、ちょっと彼らが現状では入りきれなかったかなと」
1万m平均タイムの1位は青学。
そして今回、発表の記者会見でもうひとつ驚いたことがある。
青山学院大学、1位。
東洋大学、13位。
これが何の順位かおわかりだろうか?
会見の席で各大学の主務から毎年恒例で発表される、エントリーメンバー内上位10名の「1万m平均タイム」の順位だ。
このタイムを読み解くポイントは2つある。ひとつは1万m28分台の記録を持つ選手が圧倒的に増えたというシンプルな事実。
もうひとつは、この1万m平均タイムで見ていくと、箱根駅伝の「勢力図の見え方」がこれまでとは違うということ。ちょうど北極が上に位置する北半球の世界地図、南極が上の南半球のそれの印象が違うかのように、だ。