サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
言い訳の余地がない4失点完敗。
日本代表への信頼を取り戻せるか。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2019/11/20 11:30
森保一監督になって以降で、最も苦しい試合となったベネズエラ戦。これが何かを得るきっかけになればよいのだが。
攻撃も守備も機能せず、一方的な展開。
ベネズエラはピッチの横幅を十分に活用しながら、攻撃の矢印をつねに前へ向けていた。4-3-3の立ち位置で選手が適切な距離感を保ちながら、ふたりのインサイドハーフと両サイドバックが攻撃に関わり、局面での数的優位を作り出していく。
数的に互角の局面においてもフィジカルバトルで優位に立つことで、日本の守備組織を混乱させていった。それによって、試合の主導権そのものを握っていったのである。
それにしても、日本はあまりに無抵抗だった。
前半はビルドアップの局面でミスが絶えず、森保監督が言う「連係・連動」がほとんど成立していなかった。前半の日本は5本のシュートを放っているが、複数の選手が絡んだコンビネーションによるものはなく、ぺナルティエリア内への侵入が限定的なのだから、ゴールが生まれるはずもない。前半唯一の決定機は、左CKからのヘディングシュートだった。
守備面でも「連係・連動」に著しく欠けた。複数の選手でボールホルダーを挟み込むような対応も、チャレンジ&カバーもできていないのだ。1対1で面白いように仕掛けられ、ボールを回され、球際で戦うこともできない。
失点シーンを振り返ると、ペナルティエリア内には青いユニフォームのほうが多い。それなのに、あまりにもあっさりとシュートを許している。
38分に4点目を奪われた直後には、右ポストを直撃するシュートを浴びていた。0-5で前半が終了しても、おかしくはなかったのだ。
後半、明らかに相手は気を抜いていた。
後半は試合の構図が変わった。日本は7本のシュートを記録し、1点を返した。ベネズエラには2本のシュートしか許さなかった。
試合後の森保監督は、「前半を受けて後半はもう一度顔を上げて、気持ちを奮い立たせてアグレッシブに最後まで戦うところを見せてくれた」と話した。
しかし、後半の日本が主導権を握ったことについては、「4-0になったことで集中力は多少落ちるものだし、得点を決める必要性がもはやそれほど高くなかった」というドゥダメル監督の見立てがより説得力を持つ。