サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
言い訳の余地がない4失点完敗。
日本代表への信頼を取り戻せるか。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2019/11/20 11:30
森保一監督になって以降で、最も苦しい試合となったベネズエラ戦。これが何かを得るきっかけになればよいのだが。
ブーイングを浴びるのも当然。
他でもない日本も、この日のベネズエラのような試合をしている。9月のパラグアイ戦は前半を2-0で折り返したものの、後半になるとゲーム運びが粗くなってしまう。追加点を奪えないまま、終了のホイッスルを聞いた。
2カ月前の自分たちを見つめ直せば、この日のベネズエラの心理状態に想像が及ぶはずだ。前半で勝負は決していたのである。
新戦力を起用する、新たなシステムにトライする、といったテーマを掲げたのならまだしも、きわめてノーマルなスタンスで戦ったうえでの大敗である。ブーイングを浴びるのは当然で、森保監督と選手は批判を免れない。
システムのミスマッチを突かれたともいえる前半の戦いを、監督主導でベンチから、あるいはピッチ内で修正できなかったのは、このチームが抱える根本的な問題と言っていいのではないか。
12月にはE-1選手権がある。海外組を招集できない状況から、国内組にチャンスが与えられることになるだろう。しかし、ベネズエラ戦に出場した選手たちの序列が下がるのは避けられない。E-1選手権には出場しない海外組についても同様だ。
日本代表監督が、日本代表選手が背負うべき責任と使命は、ベネズエラ戦のような試合が許容されるほど軽くも、薄くもない。信頼を回復するには、相当な覚悟と決意が必要である。