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“ドイツの至宝”ゲッツェが苦悩。
W杯制覇の英雄は消えてしまうのか。

posted2019/11/18 11:15

 
“ドイツの至宝”ゲッツェが苦悩。W杯制覇の英雄は消えてしまうのか。<Number Web> photograph by Getty Images

かつては香川真司と抜群のコンビネーションを見せたゲッツェ。再び輝くプレーを見たい。

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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Getty Images

 マリオ・ゲッツェは、世界のトップスターになると期待されていた逸材だ。ここまでのキャリアハイは、2014年のブラジルワールドカップ決勝における決勝ゴールだろう。リオデジャネイロの地で、流れるような動作から放たれた胸トラップボレーシュートがドイツ代表をW杯優勝に導き、ドイツ国中を熱狂の渦に巻き込んだ。

 後日、交代出場する際に、ヨアヒム・レーブ監督から「メッシやロナウドよりも優れた選手だということを証明してくるんだ!」と発破をかけられていたことが話題となり、英雄としてメディアでも大きく取り上げられた。

 ドイツ代表の将来はゲッツェがいるから底抜けに明るい。

 そんな雰囲気があった。だが振り返ると、この言葉が呪縛のようにまとわりつき、彼を苦しめることになってしまったのかもしれない。

ゲッツェのクオリティは今も高い。

 ゲッツェの名前は、世界のサッカーシーンで徐々に聞かれなくなっていた。

 終わった選手なのだろうか。いや、そんなことはない。いまでもゲッツェはクオリティの高い選手だ。

 そもそも、メッシやロナウドのようにゴールを量産するタイプではない。チームプレーヤーとしてパスを引き出し、攻撃に変化をつけ、チャンスを作り出すことに長けた選手だ。ボールを扱う技術、動きながらダイレクトでパスを出すセンスが、極めて優れている。トラップと同じ動作からもパスが繰り出せるし、パスを出すような動作からスムーズにドリブルへ移行していくこともできる。

 例えば、ドルトムントのホームで開催されたCLインテル戦。スタメン起用されたゲッツェは、好タイミングでスペースに入り込み、鋭いパスを抜群のボールコントロールですぐに味方へ展開していく。相手守備ライン間でパスを引き出す動きの質は今でも変わらず高い。

 18分には右サイドを上がってきた右SBアクラフ・ハキミからのグラウンダーのクロスを受けると、ワントラップから右足シュートに持ち込んだ。GKにセーブされたが、流れるような動作が素晴らしかった。

【次ページ】 ゴールから逆算したイメージができる。

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