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広島と青山敏弘から感じた“活力”。
J1制覇が遠のいても前向きな理由。
 

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原山裕平

原山裕平Yuhei Harayama

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photograph byGetty Images

posted2019/11/06 11:30

広島と青山敏弘から感じた“活力”。J1制覇が遠のいても前向きな理由。<Number Web> photograph by Getty Images

今季は長期離脱を強いられた青山敏弘だったが、やはりまだまだサンフレッチェにはなくてはならない存在だ。

柏と佐々木の存在、川辺・森島の台頭。

 最終ラインからボールをつなぎ、低い位置でボールを回しながら相手の隙を突いていく。3度の優勝を成し遂げたかつての広島のスタイルである。

 監督が代わり、優勝メンバーも次々にチームを離れていくなかで、このスタイルを実現するのは決して容易くはなかったはずだ(もちろん当時のスタイルとまるで同じではないが)。だが、ポゼッション型に慣れ親しんだ中堅・ベテランと、急成長を遂げる若手の台頭がそれを可能としたのだ。

「正直このチームが、ここまで自信満々にプレーしている姿というのは想像以上なもの。それは引っ張ってくれた柏(好文)や(佐々木)翔の存在が大きいと思うし、(川辺)駿やモリシ(森島司)が伸びてきてくれたところもある。彼らがぐっとチームの力を引き上げてくれたと思うし、そこはこれからの広島の武器になると思う」

 2010年代すべてのリーグ優勝を知る数少ないメンバーとなった青山は、右肩上がりで成長を続けるチームの現状を、驚きを持って受け止めている。

青山は長期離脱を経てスタメン復帰。

 自身は大いに苦しんだ。年始のアジアカップで負傷し、長期離脱を強いられた。2月のキャンプ時にはまともに歩くこともできなかったほどだった。それでも懸命のリハビリを経て8月3日の札幌戦で途中出場から復帰を果たすと、9月14日の横浜FM戦からはスタメンに戻ってきている。

「良く帰って来れたと思う。このチームに携わっていくなかで、自分を必要としてくれる信頼に応えたかった。結果を持って帰ってきたと言いたいけど、そこはまだまだ。それができてこそ、初めて戻って来れたと言えると思う」

 長くレギュラーを担ってきた生え抜きのボランチにも、危機感は備わる。決してポジションが約束されているわけではない。だからこそ、自身のパフォーマンスには満足していない。

【次ページ】 2010年代に成功したクラブの復権へ。

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