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不調トッテナムに高まる監督解任説。
打開のヒントはラグビーのエディー!? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2019/11/02 11:40

不調トッテナムに高まる監督解任説。打開のヒントはラグビーのエディー!?<Number Web> photograph by Uniphoto Press

デル・アリを励ますポチェッティーノ監督。トッテナムを強豪に仕立て上げた指揮官はどのように不調を乗り越えるか。

リバプール戦での前向きな材料。

「時間が経てば本来の姿を取り戻せる」とした指揮官の発言は楽観的すぎるとも言われた。その一方でポチェッティーノのチームらしさを取り戻し始めた節もある。

 10月22日、ホームでのツルベナ・ズベズダ戦(5-0)での4試合ぶり白星は順当とも言えるが、続くリバプール戦は、開幕から無敗で首位を走る優勝候補筆頭とアウェイで戦い、今季最高の戦いぶりを見せたのだ。

 残り15分で逆転された敗戦後、「前向きな材料」を強調したポチェッティーノのコメントは、より真剣に受け止められても良かった。解説を担当したガリー・ネビルは「受け身」と表現したが、その一言で片付けられるほど情けない内容ではなかった。

 開始47秒で奪った先制点は、ムサ・シッソコ得意のパワフルな中央突破から始まった。1度ならず、2度、3度とタックルをかわしたシッソコからソン・フンミンが左サイドでパスを受け、定番のカットインからシュート。バーに当たって跳ね返ったボールは、ハリー・ケインが決定力の高い主砲らしく誰よりも先にリバウンドに反応。屈むようにしながら頭で合わせ、リバプール相手に先制点を奪った。

ヌドンベレが与えたインパクト。

 この日のトッテナムは立ち上がりからボールホルダーにプレッシャーをかけ、パスの受け手にも1人、2人と圧力をかけた。守備でも従来の積極性が出てきたのだ。後半早々の48分、角度のない位置からソン・フンミンが狙ったシュートがバーに阻まれずに2点差となっていれば、違った展開があり得たかもしれない。

 前半を無失点で終えることができたのは、パウロ・ガッサニーガのセーブ連発のおかげだ。モハメド・サラーにロベルト・フィルミーノ、近距離でビルヒル・ファンダイクが放ったヘディング、トレント・アレクサンダー・アーノルドの弾丸ミドルを跳ね返し続けた控えGKの姿は、ロリスが年内絶望のチームに勇気を与えたに違いない。

 また終了間際まで敗戦回避を試みる中で、後半途中にベンチから送り出されたタンギ・ヌドンベレもインパクトを与えた。

 ボールを奪い、攻めの姿勢が目立つ新加入ヌドンベレは、10節までに5試合とリーグ戦での先発が少ないが、その裏には、新顔や若手の起用には慎重な指揮官の、大成を期待する配慮があるとも考えられる。

【次ページ】 デル・アリを包むネガティブ評価。

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