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不調トッテナムに高まる監督解任説。
打開のヒントはラグビーのエディー!? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2019/11/02 11:40

不調トッテナムに高まる監督解任説。打開のヒントはラグビーのエディー!?<Number Web> photograph by Uniphoto Press

デル・アリを励ますポチェッティーノ監督。トッテナムを強豪に仕立て上げた指揮官はどのように不調を乗り越えるか。

ポチェッティーノは前向きになれ!

 何よりポチェッティーノには、とことんポジティブであることを求めたい。

 トッテナムの指揮官は、時折り自ら現職を離れたいのではないかと思わせるような発言をしてきた。「昨季は誰も買わなかったのだから資金はある」といった補強に関する発言にしろ、レアル・マドリーによる引き抜きが噂され続ける中での「いつかは、またリーガ・エスパニョーラでも」という反応にしろ、野心的な発言をしたくなる気持ちはわかるが、「フロントに不満」や「ヘッドハントに興味」などと報じられてしまうことは明白である。

 それでは快勝を収めてCLでグループ2位に浮上したツルベナ・ズベズダ戦後、自身の名を歌って支持を示したホームの観衆に対し、「期待に沿う結果を出せるように200パーセントの力を出して頑張らなければ」と言って恩返しを誓っても、100パーセントの説得力を持つ発言とは受け取ってもらえない。

 その点、イングランド最新のスーパー・マネージャー、エディー監督は、ラグビー代表が内部崩壊しつつあると言われる状況で退任を求める声が上がっても動じず、「しっかりと指導することに専念するだけさ。それが大好きでね」と、平然としていた。結果、契約延長を請われる現在がある。

エディーの手のひら返しのように。

 ジョーンズのイングランドがニュージーランドを倒してW杯決勝に駒を進めた当日、近所のパブに午前9時集合の準決勝観戦会を辞退した筆者は、プレミアでのウェストハム対シェフィールド戦に向かうべく自宅を出たところで、祝勝会を終えてパブから帰ってきた隣人に出くわした。

 デイブ(ラグビーのプレミアに所属するブリストルのサポーター)と、ケイト(ラグビー代表のホームであるトゥイッケナム・スタジアムにボランティア勤務)は、「日本経由でやって来たエディーを疑って申し訳ない!」と、上機嫌で反省している。

 ポチェッティーノのトッテナムも、夏の補強を経て次なるサイクルに突入しているはずの来年の今頃、1年前に監督交代を求めた人々を見返すことは可能だ。

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