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400mH歴代2位の20歳が語る、
インスタ世代の「自分」の見せ方。 

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2019/10/25 08:00

400mH歴代2位の20歳が語る、インスタ世代の「自分」の見せ方。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

世界陸上で2つのメダルを獲得したシドニー・マクローフリン。陸上大国アメリカの期待の星だ。

「試合だけに集中するのではなくて……」

 世界陸上の開催中も大会の様子をポスト。レースごとにヘアスタイルをチェンジしたりと、大会そのものを楽しんでいる様子が窺える。

「試合に向けて自分を鼓舞する意味でもヘア&メイクは重要。控えめなメイクをしている時もあれば、大きな大会であれば気合を入れるためにアイシャドーにグリッターを加えたりして、メイクを強くすることもあります。

 ちなみに私にとって、メイクの一番のポイントとなるのはアイブロウね。試合ごとにヘアスタイルを変えるのは、ちょっと違う自分を見せられるというのと……写真もいろいろ撮ってもらえるでしょ?(笑)

 インスタを始めて良かったなと思うのは、大会中に一緒に写真を撮って、って言われたり、有名なアスリートなど色々な人に会って、コミュニケーションができること。もちろん競技も大事だけど、試合だけに集中するのではなくて、記念すべき場所にいられる自分と、その瞬間を楽しみたい。だから色々な写真をポストするの。

 もちろん、世界陸上では競技中にたくさんの人に見られていることはわかっていたし、ものすごくプレッシャーはありました。でも、コーチを信頼し、自分自身に集中して、できることを最大限に出そうと考えることで、メンタルをコントロールしました。緊張しないようにすることで、自分の持っているエネルギーそのものも少しセーブすることもできたと思います」

「今どきの子ってみんなこうなんですよ」

 プレッシャーのかかる大舞台でも、緊張をコントロールできているからこそ、大会の空気を楽しみ、SNSで自ら発信し、さらには自己ベストを更新できるのだろう。そんな20歳のメンタリティには驚くばかりだが、これは国民性の違いなのだろうか?

「というよりも、世代的なことが大きいでしょうね(笑)。同年代の選手で私よりもたくさんポストしてた選手もいるし、今どきの子ってみんなこういうものですよ」

 確かに、22歳のテニスの大坂なおみをはじめ、若い選手のインスタグラムには彼女たち世代が持つ空気を感じることがある。とはいえ、SNSを偏重しているわけでもない。「見られる自分」と絶妙な距離感を保ちながら、既存のメディア、SNSをうまくハンドリングしているのも、シドニー世代ならではだろう。

【次ページ】 勝つために若すぎるということはない。

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