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川島永嗣と川口能活に学んだ3カ月。
大迫敬介は「勝たせるGK」になる。
posted2019/09/24 11:00
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
JFA/AFLO
今夏の南米。舞台はコパ・アメリカでのこと。
直前のキリンチャレンジカップで初めて日本代表に呼ばれた大迫敬介は、引き続き南米の雄を決める大会にも招集されると、初戦のチリ戦でチームの守護神としてゴールの前に立っていた。
しかし、結果は無残にも4失点を喫して敗戦。期待を胸に挑んだ大会は、初戦で自身の出番が終了。残りの2試合はベンチから見守ることしかできなかった。
「もちろんチームで自信を持っていた部分で通用したところもありましたけど、コパに出てみて、やっぱり現実のレベルはすごく高いなと感じました」
いまの精一杯の自分をぶつけた。今季、サンフレッチェ広島で得た自信をピッチに落としこみ、正面から南米の強豪に挑んだ。
それでも叩きつけられた差。自分に何が足りないのか。19歳の大迫にとって、コパ・アメリカという舞台は多くの“学び”を提供してくれた大会になったに違いない。
そして、その学びの1つとなった人物がいる。
日本代表のGK陣を長く牽引してきた川島永嗣である。
エイジさんの普段を見て知ること。
「エイジさんのプレーは小さい頃からテレビで見ていた」と言う大迫は、昨年のロシア・ワールドカップで最初の出会いを果たしていた。大迫はロシアW杯に臨む日本代表のトレーニングパートナーとしてU-19日本代表のメンバーとともにチームに帯同。そこで川島のピッチで戦う姿を目に焼き付けていた。
時が過ぎ、コパ・アメリカではチームメイトという立場となった。寝食をともにし、GK陣としてともに練習に取り組む。一緒にいる時間が長くなればなるほど、見えてくるものがあった。
「なかなか普段の練習や生活のところを見る機会がなかったけど、今回コパで一緒になってそういうところの意識の高さを感じた。そこは自分が強く気付かされたというか、刺激を受けました。練習前の準備もそうだし、コミュニケーションもそう。特にコパの場合、エイジさんから見たら、やったことのない年下の選手ばかりの中で名前を覚えるのも早かったし、チームに溶け込むスキルはさすがだなと思いました」