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川島永嗣と川口能活に学んだ3カ月。
大迫敬介は「勝たせるGK」になる。
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byJFA/AFLO
posted2019/09/24 11:00
コパ・アメリカで大迫敬介(右)は小島亨介(左)とともに川島永嗣に、北中米遠征では川口コーチから学ぶ貴重な経験を得た。
川口コーチの経験を盗みたい。
これまでGKコーチを務めていた下田崇コーチはカタールW杯予選を戦う日本代表の遠征に参加。そのため、今回の遠征はスポット参加として昨年に現役を引退したばかりの川口能活コーチを帯同することになったのだ。
W杯に4度参加し、2度のアジアカップ制覇を経験するなど、川口コーチは「これまでの日本のサッカー界をずっと引っ張ってきた選手の1人」(大迫)と言える存在である。テレビで現役時代を追っていた大迫からすれば「間違いなく緊張しますね」と答えたのも無理はなかった。
しかし、これをただの出会いで終わらせる気もなかった。「技術面のアドバイスもそうですけど、やはり経験してきたものを盗みたい」と語るように、川口コーチから多くのものを得て自らに還元したいと考えていた。
「クロスに対して飛び出していくのは自分の強みでもあります。そういうミスを恐れないプレーはどんどんしろと言われました。能活さんの昔のプレーを見ても、そういうミスを恐れないプレーはすごかった。そういう人から直接声をかけてもらえるのは勇気が出ますし、学んでいます」
アジア杯、マイアミの奇跡もそう。
ミスを恐れず、チームに勝利を引き寄せる。川口コーチのプレーは自身の理想像にも近い。
「(2004年の)アジアカップでPKを止めて勝った試合も、(アトランタ五輪で)ブラジルに勝った試合もそうですけど、ああいった試合は能活さんが主役になってチームを引っ張っていたし、GKがチームを勝たせた試合だった。そういう風に自分もチームを勝たせられるようなGKにならなければいけないと思います」
北中米遠征でのU-22メキシコ代表戦では多少のミスはあったが、しっかりと存在感を発揮して無失点に抑えた。北中米の地でまた1つ大きな“学び”を得て、今はJリーグでの戦いに身を置いている。