酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
平成甲子園最強校を番付にすると。
東西横綱はあの2校、公立校は……。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKoh Hiroo
posted2019/08/05 07:00
平成の甲子園、東西横綱は横浜と大阪桐蔭。松坂大輔に筒香嘉智、藤浪晋太郎、森友哉に根尾昂らスターを輩出した。
金足農、大船渡のような場合……。
それだけに昨年の金足農(秋田)や、今年の大船渡(岩手)のように、好投手を擁した公立校の躍進が注目を集めるが、乏しい戦力のためにエースに負担がかかる。ギリギリの戦力での戦いの是非が、「球数制限」議論の高まりの中、大きな話題になっている。
公立校の「普通の野球部」が、強豪私学に伍して戦えるようにするために――。試合日程やリーグ戦の導入など、高校野球の改革が必要になってきていると個人的には思う。
令和の高校野球はどんな進化を?
ここまで平成の番付を振り返ってきたが、「令和の高校野球」はどうなるのか。 大阪桐蔭、智弁和歌山、横浜などの強豪私学が引き続き強そうなイメージだが、おそらく、異なるカテゴリーの学校が台頭するだろう。
注目すべきは「通信制高校」だ。従来とは全く異なる教育環境の通信制高校では、球児たちに思い切った練習環境や時間を提供できる。すでに地球環境(長野)、クラーク記念国際(北海道)が甲子園出場を果たしている。こうした高校がメリットを最大限に生かして従来の名門校に挑戦する可能性はあるだろう。
さらに今、急速に進んでいる国際化によって、海外の血を引く高校球児が増えるだろう。すでに乙坂智(DeNA)、オコエ瑠偉(楽天)などがプロでも活躍しているが、今後はメジャー流の野球を取り入れた高校が、従来の「高校野球」とは違うスタイルの野球を展開するかもしれない。
令和の「高校野球番付」がどんなものになるのか、想像するのも野球ファンの一興ではないだろうか。
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