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経済的理由で辞める選手を減らせ。
仙台大が“クラファン”で天皇杯遠征。
text by
平野貴也Takaya Hirano
photograph byGetty Images
posted2019/07/24 11:45
クラウドファンディングを使って天皇杯の遠征費を募った仙台大学サッカー部。横浜FCとの一戦は惜敗に終わったが、その意義は大きかった。
支援によって芽生えた選手の自覚。
ボランチとしてフル出場したMF鈴木大貴(4年、大宮ユース出身)は、積極的な取り組みがチームの活性化につながる手応えを語った。
「東北で活動していて、関東や関西のチームに比べると知名度では劣ってしまう。新しい企画をすることで、チームを多くの人に知ってもらうと、試合を見てもらえる機会も増えるのかなと思う。監督やコーチだけでなく、第三者に評価してもらうことは、選手の自信にもなる。支援してもらうからには、不甲斐ない試合はできないという気持ちにもなる」
地方の大学だからこそ、ほかにはない新たな取り組みを行うことで、価値を高めようとしているのだ。
吉井GMは企画の真意をこう語った。
「クラウドファンディング自体は、今後、あまりやろうと思っていません。何度もやるのは違うかなと思っています。仙台大のスポーツ局として取り組み、ほかの部でもやってみたらどうかとは思っていますが。
お金が集まるかどうか不安だったので、100万円以上が集まったことも大事ですが、今回の取り組みは、自分たちにどういう価値があるか、周囲が判断してくれる試みだったことがすごく良かった。仙台大が先進的な取り組みに意欲的だということを知ってもらうことが大事」
クラウドファンディングで“打倒J”――。
これを手始めに、仙台大は、地方で改革を起こそうとしている。