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経済的理由で辞める選手を減らせ。
仙台大が“クラファン”で天皇杯遠征。
posted2019/07/24 11:45
text by
平野貴也Takaya Hirano
photograph by
Getty Images
クラウドファンディングによる遠征費獲得は、地方チームの先進的改革の一手に過ぎない。
7月10日に行われた天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会の2回戦で、仙台大学(宮城県代表)は横浜FC(J2)に挑んだが、1-2の逆転で敗れた。
天皇杯は、アマチュアとプロが垣根なく参加して日本一のタイトルを争うトーナメント戦。その1つの魅力が、格上を撃破する「ジャイアントキリング(巨人倒し)」だ。特にJクラブとの対戦は、アマチュアチームにとって大きな挑戦になる。
仙台大は、MF松尾佑介(4年、浦和ユース出身)が来季から横浜FCに加入することが内定しているが、他選手にとっては、将来のJクラブ入りをかけて自分の力や可能性をアピールできる機会でもあり、気合いは十分。
鋭い動き出しで再三チャンスを作り出した嵯峨理久(3年、青森山田高出身)は「プロになりたいという意思でしかサッカーをしていない。天皇杯は、自分にとって大きなもの。その中で結果を出せなかったのは、力不足。決定的なチャンスで決め切れるかどうかで自分の今後の人生も変わる。反省しないといけない」とかけていた思いの強さをのぞかせ、悔しがった。
吉井監督の発案で活動費を獲得。
4年ぶり3回目の天皇杯出場となった仙台大は、1回戦で東北1部に属するいわきFCを3-2で撃破。Jクラブへの挑戦権を手にした。
悲願の打倒Jはかなわなかったが、仙台大は今回の一戦で新たな取り組みを行い、収穫を得ていた。
それがクラウドファンディングによる活動費の獲得だ。
GM兼任の吉井秀邦監督の発案で実施し、第1目標の50万円を超え、61人から102万1000円を募ることに成功した。