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異彩の2番・筒香嘉智が誕生の理由。
最強打者説と出塁率、DH制なし。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKiichi Matsumoto
posted2019/07/20 08:00
「日本の4番」とも称される筒香嘉智が2番を打つ。ラミレス監督の起用法はまたも興味深い。
メジャーでは原点回帰の打順に。
今季はロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウト外野手や、故障で出遅れたが2017年に52本塁打を放ったニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手、今季両リーグトップの34本塁打を放っているミルウォーキー・ブルワーズのクリスチャン・イエリッチ外野手らも2番を打っている。
ところが実はもっと新しい“トレンド”がメジャーにはもう1つある。
それは原点回帰で3、4番に最強打者を据えたオーダー編成だ。
現在、トラウトとともにメジャーのトップ打者と評価されるフィラデルフィア・フィリーズのブライス・ハーパー外野手やアトランタ・ブレーブスの主砲、フレディー・フリーマン内野手、昨オフのFA市場の目玉でサンディエゴ・パドレス入りしたマニー・マチャード内野手、セントルイス・カージナルスのポール・ゴールドシュミット内野手らはみな3番を任されている。
DH制のないナ・リーグの強打者は……。
またイエリッチと並び最多34本塁打のロサンゼルス・ドジャース、コーディー・ベリンジャー外野手や昨年を含む3度の本塁打王に輝くコロラド・ロッキーズのノーラン・アレナド内野手は4番に座っている。
実はこれらの選手は、DH制のないナ・リーグの強打者なのである。
DH制がないということは9番に投手がいる。DH制なら打線が一回りしたときに、9番の野手から上位打線へとつながり、2番は走者を置いて打席に入る確率も高くなる。ところが9番に投手が入ると、そこで打線が途切れて、実質的には前には1番打者しかいないことになる。
その非効率を排除するためにナ・リーグでは、再び3番か4番にポイントゲッターを据える流れで、突出した打者で2番に入るのはブルワーズのイエリッチぐらいなのである。
そこで話はDeNAに戻る。