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平成元年と令和元年のオールスター。
村田兆治のガチさ、サイクルの緩さ。

posted2019/07/19 11:30

 
平成元年と令和元年のオールスター。村田兆治のガチさ、サイクルの緩さ。<Number Web> photograph by Yasutaka Nakamizo

「セ・リーグ」「パ・リーグ」というレアなパネルが見られるのもオールスターならでは。

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中溝康隆

中溝康隆Yasutaka Nakamizo

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Yasutaka Nakamizo

 野球ファンにとってペナントレースが「日常」ならば、オールスター戦は「非日常」のイベントだ。

 チームが優勝するために戦うプロ野球において、オールスター戦だけは「チーム」より「個人」である。だって、去年の日本シリーズの勝敗は覚えていても、オールスターでセとパのどちらが勝ったかはほとんど記憶にない野球ファンも多いと思う。みんな球場へ勝ち負けじゃなく、選手個人を見に行くわけだから。

 そんなせっかくの非日常の夏祭り、しかも歴史的な「令和元年のオールスター」。これは現地に行くしかない。観戦ゲームはいつもの巨人戦で行き慣れた初戦の東京ドームではなく、2戦目の甲子園を選んだ。

 問題は記録的な日照不足による「梅雨寒(つゆざむ)」だ。とにかく2019年夏は天気が悪い。7月第2週後半の甲子園の天気予報もほとんど曇りのち雨だ。いや、まあ野球も遠足も事前に心配しても意外と当日はあっさり晴れたりするもんだよな……って思いっきり雨じゃねえか!

いつ着るかわからないTシャツの愛おしさ。

 7月13日土曜日の午後2時、阪神電車の甲子園駅に降り立つと、すでに小雨がパラついていた。ポンチョや傘をさしている人も多い。よし、持参のオレンジタオルを頭に乗せて、雨にも負けず巨人ファンに対する冷たい視線にも負けず、まずは腹ごしらえだ。

 お目当ての世界中に展開するケンタッキーフライドチキンで甲子園店にしか売っていない『チキン勝ツ丼』(850円)を、KFC屋台に数分並んで購入。雨風をしのごうとあの有名な「野球王ベーブ・ルースの碑」の近くの木の下に座り、一気にかき込む。おっ、こ、これは。うん、驚くほど普通のカツ丼だ……ってそんな感想は野暮だろう。

 スタジアムグルメは冷静に見たら、ほとんど街のファーストフード店やコンビニの味と変わらなかったりする。でも野球場の空気感というスパイスで味付けしたら大抵は美味く感じるものだ。プールやスキー場で会うおネエちゃんはやたらと可愛く見える的なあの感じ。

 グッズだってそうだろう。球場でレプリカユニフォームを買ったところで日常生活で着ることはほとんどない。それでも、その瞬間の己のテンションを上げるために買う。そう言い聞かせるようにグッズ販売の特設テントの列に並んで、記念タオルやTシャツを購入する。

 正月のNPB福袋で毎年大量にオールスターグッズがさばかれている事実も分かっている。でも、野球グッズはその日その試合の記憶を形にして残せるからこそ価値がある……気がする。自分でもいったいいつ着るのか不明だが、俺はこのズンドコオールスターTシャツを眺める度に令和最初の夢の球宴を思い出すのだろう。

【次ページ】 甲子園歴史館は500円なのに大充実。

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