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守銭奴オーナーがベニテスを放出。
2年目の武藤嘉紀がリベンジ開始。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byUniphoto Press

posted2019/07/09 11:40

守銭奴オーナーがベニテスを放出。2年目の武藤嘉紀がリベンジ開始。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

昨季は十分な出場機会を得られなかった武藤嘉紀(右)。新指揮官を迎える来季は横一線からのスタートになる。

後任候補は“武藤向き”の監督ばかり。

 しかし、監督が代われば、再び横一線からポジション争いが始まる可能性が高い。

 ネット系のブックメイカー(予想屋)による後任は、オッズ表の画面をスクロールしなければならないほど候補者が多い。監督としての実績でいえば、上はジョゼ・モウリーニョから、下は4部での初挑戦が1カ月ほどで終わったポール・スコールズまで、年齢では70歳のニール・ウォーノック(現カーディフ/2部)から、36歳のジョーイ・バートン(現フリートウッド/3部)まで、多種多様な名前がリストアップされている。

 そのなかで、本稿執筆時点で最も現実味があると思われる上位5名を眺めれば、倍率が平均4倍のミケル・アルテタ(現マンC助監督)、5倍で候補2番手と目されるロベルト・マルティネス(現ベルギー代表)、12倍で5位のガリー・モンク(前バーミンガム/2部)などは、ポゼッション・ベースでパスを繋ぐサッカーを好み、前線にも高さや強さよりも、高い技術と動きの良さを求める、言わば武藤向きの監督だ。

万全な態勢で迎える新シーズン。

 モンクの前後につけるショーン・ダイシ(現バーンリー)とデイビッド・モイーズは、前線中央のターゲットマンを好むタイプだが、アウトサイドや背後からのセンターフォワードサポート要員としては、武藤の特徴が合う。

 セカンドトップを務めることが多かったペレスの移籍により、後釜獲得に動くだろうが、移籍早々からインパクトを見せるとは限らない。ペレスにしても、プレミアでの得点数を二桁台に乗せたのは、移籍5年目の昨季が初めてだった。

 アウトサイドでも、クリスティアン・アツがガーナ代表でのアフリカ選手権参戦中にハムストリングの怪我で戦線離脱。クラブでのプレシーズン参加が大幅に遅れることになる。

 対照的に武藤は国際大会での疲労や故障もなく、オフの間に肉体強化にも取り組んだうえで、7月4日からのプレシーズンに臨んでいる。

【次ページ】 ファンは武藤を忘れてはいない。

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