菊池雄星の「Stand Up」BACK NUMBER
菊池雄星が語る“100球”の理由。
「球数を投げる時期は20代半ば」
text by
菊池雄星Yusei Kikuchi
photograph byAFLO
posted2019/07/05 11:50
今では球界屈指の進歩派である菊池雄星だが、高校時代はやはり甲子園こそすべてだと思ったという。
球数制限も難しいのだとすれば……。
理想はリーグ戦の導入ですが、現実的には難しいとすれば、球数を限定的に制限するというのはどうでしょう。
こちらも学校や高野連の反対意見が強いと聞きます。強豪校には強豪校、弱小校には弱小校の思惑や台所事情があるので、それをまとめるのが簡単ではないのもわかります。
なので現状を考えると、高校野球で7回制を導入するのはどうでしょうか。
7回制にすれば、肩や肘に大きな負担がかかる100球超えのケースが減り、怪我のリスクを下げられます。投手が1人、2人しかいないチームでも、球数制限のような不利な状況は回避しやすいです。
僕自身これが最善と思っているわけではないですが、現場や選手の声でリーグ戦の導入や球数制限が簡単ではないのなら、妥協案として7回制を提案したいと思います。
試合での球数が炎天下の120球くらいから疲れ方が変わるということを最初に書きましたが、イニングで言えば8、9回が肉体的にも精神的にも辛いんです。
それにピッチャーの立場からすると、最後まで投げたいですし、監督やコーチもその選手を交代させるのは難しいでしょう。結果として「8、9回は気力で投げる」ことが多くなりますから、7回制にすることで負担は軽減できるのではないでしょうか。
「甲子園が人生の最後になっても良い」
夏の甲子園準決勝戦で敗退後、自分はそうコメントしました。
当事者として、また、甲子園に魅せられたものの1人として、最後まで投げ切りたいと思うのが選手の気持ちです。そうしたことを踏まえると、7イニング制にするというのが現時点での着地点のように思います。