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菊池雄星が語る“100球”の理由。
「球数を投げる時期は20代半ば」 

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菊池雄星

菊池雄星Yusei Kikuchi

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posted2019/07/05 11:50

菊池雄星が語る“100球”の理由。「球数を投げる時期は20代半ば」<Number Web> photograph by AFLO

今では球界屈指の進歩派である菊池雄星だが、高校時代はやはり甲子園こそすべてだと思ったという。

球数を投げる時期は20代で来る。

 ただ、少し矛盾した言い方になるかもしれませんが、ピッチャーは、球数を投げることで培われる力があるのは事実です。

 僕がいつも思っているのは、ピッチャーが成長していくために「量を投げる期間は必要」ということです。「投げ込む」という表現が正しいかはわかりませんが、数を投げる時期を作る必要性は感じています。

 しかし、それが10代であってはいけないでしょう。

「野球が上手くなる時期」は、骨の成長が止まって筋力がしっかりついた後です。年齢的には、23~26歳あたりでその時期を迎える選手が多いと思います。

 体ができあがって練習で様々なことを試す環境が整い、その時期にしっかり投げることで、効率的に技術を覚えることができます。

 多くの選手は、プロに入ると体型が変わります。自分も18歳から24歳までの6年間で体重が20キロ増えました。10代の頃の身体は、1年、もっと言えば1月でも大きく変化するのです。

 23~26歳くらいになると、身長も止まり、体型の動きも収まってきます。それまでにトレーニングで土台を作っていれば、体が安定したところで今度は技術に繋げていくことが可能になるのです。

 高校時代のトレーナーがよく話してくれたのは、野球選手の大きな分岐点は26歳くらいにやってくるということ。この年齢に差しかかった時にパフォーマンスが上がる。練習をきっちり積み重ねていた選手は、必ずそこで変わる。

 ところがそれ以前に自分で何も考えずに過ごしていると、成長の時期が来なくなってしまうんです。

 練習を積み重ねてきた選手は26歳くらいのタイミングで、トライ&エラーを繰り返しながら、何が自分に最適なトレーニング・ルーティンなのか、ベストの体重や食事、自分がどういうタイプの選手として生き残っていくかがわかってくるのです。

高校野球のトーナメント制は弊害が大きい。

 そう考えると、高校野球のルールも変えていく必要があります。

 今年は、新潟県が春季大会での球数制限導入を発表(のちに見送り)して話題になりました。高校野球は新しい時代へ向けて動き出す必要がある時期だと感じていますが、僕なりに考えた1番の理想は、リーグ戦の導入です。

 リーグ戦だと「負けたら終わり」ではないので、長期的な視野で多くの選手を試合に出すことができます。エース以外のピッチャーも登板機会も自然と増えるでしょう。

 ただ現実問題として、現在のトーナメント形式を前提にチームを作っている学校も多いと思います。

【次ページ】 球数制限も難しいのだとすれば……。

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