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伊達公子が没頭した修士論文の中身。
砂入り人工芝は日本テニスの大問題。 

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内田暁

内田暁Akatsuki Uchida

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photograph byHiromasa Mano

posted2019/06/24 17:00

伊達公子が没頭した修士論文の中身。砂入り人工芝は日本テニスの大問題。<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

現役引退後も伊達公子は日本テニスのために尽力している。その1つが、砂入り人工芝コートへの提言だ。

岐阜はハードコート化に成功。

 個人競技のテニスでは、選手の育成法は個々の能力や性格に応じて十人十色で、上達行程も個人差が大きい。だが環境整備は、どの選手も等しく恩恵を受けられるはずだ。

 だからこそ、錦織や大坂の活躍でテニスへの関心が高まっている今こそ、変化への千載一遇のチャンスだと伊達は声を大にする。

 実際に伊達が2008年に復帰戦を戦った長良川テニスプラザは、2010年に全面ハードコート化を実現した。

「岐阜のハードコート化が成功した理由は、2012年に国体開催を控えていたことと、知事をはじめとする自治体の方々、県協会の方々の理解と情熱、そしてカムバックし問題提起をする私という、3点が揃っていたことにあると思います。

 そのどれか1つが欠けていても難しかった。ただそれら3要素のうち、国体の開催地は先々まで決まっている。問題提起は今後も継続できるとすれば、あと残るは理解と情熱。そこにテニス協会などが働きかけてウェーブを作れば、できないはずがない。テニス界の未来のためにも、今こそ変わらなくてはいけないと思います」
 

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