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20年ぶりのコパ・アメリカ取材!
ドバイ経由25時間空の旅の果て……。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKei Totsuka
posted2019/06/20 10:30
コパ・アメリカの日本の初戦、対チリ戦が行なわれたモルンビースタジアムの記者席。バックスタンドのコーナー付近の上からピッチを撮影。
参加国数で揺れ動いてきたコパ・アメリカ。
コパ・アメリカの取材は20年ぶりになる。日本代表が招待されたのが1999年以来だからなのだが、個人的にはちょっぴり居心地が悪い。
大陸選手権という意味では、ユーロやアジアカップと同じである。ところが、スタジアムに漂う空気は明らかに違う。
かつて8カ国開催だったユーロは、'96年に16カ国、2016年には24カ国に規模が拡大されている。
アジアカップもユーロと同じ道を辿っている。'04年に8カ国から16カ国に出場枠が倍増され、今年1月開幕の大会では24にまで膨れ上がった。
商業的観点に立てば理解はできる。しかし、大会のレベルは間違いなく低下する。序盤戦に勝敗の分かり切った試合が増え、総試合数が増えることで強豪国も疲弊していく。それでも名勝負と呼ばれる一戦は生まれるが、試合数が少なければもっとハイレベルな攻防が期待できるのでは、と思うのだ。
剥き出しの獣性がぶつかり合う南米同士の闘い。
コパ・アメリカも招待国を迎えてきた。'93年大会より北中米カリブ海地区からゲストを迎え、センテナリオと呼ばれた100周年記念の前回は16カ国で開催した。それでも、今回は12カ国へ戻した。ゲストは最小限にとどめて、南米勢による真剣勝負を維持している。
南米のサッカーは華麗な個人技を連想させるが、そもそも彼らは野性的である。勝つためにはルールブックの隙間を躊躇なく潜り抜ける。VARで確認できても反則にならないような駆け引きが、ピッチ上のあちらこちらで繰り広げられていく。
食うか、食われるか。剥き出しの獣性がぶつかり合うのが、コパ・アメリカという大会なのである。