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20年ぶりのコパ・アメリカ取材!
ドバイ経由25時間空の旅の果て……。
posted2019/06/20 10:30
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Kei Totsuka
いやあ、遠い。南米ははるか彼方だ。
どんなルートを辿っても、10時間以上のフライトを2本乗ることになる。
身体はもちろん、気持ちが疲弊する。目的地に着いたその日の僕は、ほとんど遣いものにならないのがパターンだった。
サッカー日本代表が出場中のコパ・アメリカに来ている。開催国のブラジルを訪れるのは2013年以降で4度目となり、そのすべてでエミレーツ航空を利用している。
成田でも羽田でも出発は夜だ。当日も仕事ができるのが嬉しい。
サンパウロ着は夕方なので、ホテルにチェックインしたら身体を休めて明日以降に備える。時間の使いかたに無駄がない。
森保一監督と選手たちも、エミレーツ航空でブラジル入りした。海外遠征へ向かうサッカーの代表チームは、男女や世代を問わずにドバイ経由が少なくない。目的地が南米でもヨーロッパでも、乗り継ぎや到着後の行動がスムースなのだろう。
今回はビジネスクラスで移動した。6月15日の22時に成田を発った。およそ11時間のフライトで中東のハブ空港ドバイへ着くと、約5時間のトランジットになる。ビジネスクラス専用のラウンジへ向かう。
現地時間は早朝のためか、身体を横にできるスペースがほぼ埋まっていた。その代わりに、ソファーの並ぶ空間にはたっぷりとしたゆとりがある。
電源を確保してパソコンを立ち上げメールを受信しつつ、その前の晩に行われたJリーグの映像をチェックする。いつもなら完全に持て余してしまう5時間も、シャワーを浴びて朝食を食べ、食後のコーヒーを飲んだりしているうちに搭乗時間に近づいていった。
14時間のフライト中にストレッチ。
ドバイからサンパウロまでは14時間強である。ここからがキツい。ブラジル時間に合わせて、フルフラットのシートで睡眠をとる。
飛行機でも新幹線でも、2、3時間乗ると左膝の機嫌が悪くなる。フルマラソンを走っても何ともないのに、座りっぱなしだとぐずぐずと文句を言うのだ。
それがどうだろう。この日はいたって機嫌がいい。左膝だけでなく身体全体の凝りが、圧倒的に少ないのだ。シートで横になっているだけでなく、バースペースでストレッチができた(ちょっと遠慮気味に、だが)のも良かった。
サンパウロには定刻より少し早めの16時40分に到着し、スーツケースをピックアップしてホテルへ。疲労は少なくても疲れがないとは言えないので、アルコールの力も借りて22時半にはベッドに入る。
……ところが、3時半には目が覚めてしまった。一般的に時差とは1日に1時間ずつ抜けていくもので、日本とブラジルの時差は12時間ある。5時間は寝ているのだから、上出来かもしれない。