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南米では正直者がバカを見る?
日本代表「走るサッカー」の限界。

posted2019/06/20 08:00

 
南米では正直者がバカを見る?日本代表「走るサッカー」の限界。<Number Web> photograph by Getty Images

チリに完敗を喫した日本。中2日で迎えるウルグアイ戦で森保監督はどんな策を打ってくるか。

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熊崎敬

熊崎敬Takashi Kumazaki

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Getty Images

「あれ? チリってこんなに上手かったっけ?」

 日本戦を見ての率直な印象だ。

 2015年、チリが開催国として悲願の初優勝を遂げたコパを観戦したが、このとき彼らが上手く見えたことは一度もない。チリといったら、速くて激しくて、そしてなによりも汚いチームだった。

 そのチリが上手く見えたのは、日本の守りが甘かったということに尽きる。

 もちろん日本は五輪世代が中心で、準備も十分ではない。ベストメンバーだったら、という言い訳はできる。とはいえ日本とチリには、いや、日本と南米のサッカーには大きな力の差があることは間違いない。

出足が鈍くなった後半は……。

 前半の日本は予想以上の健闘を見せ、3連覇を狙うチャンピオンを手こずらせた。中島を中心に一人ひとりが積極的に前にボールを運ぶ姿勢を見せ、GK大迫も目の前に迫ってくる敵を巧みな足技でかわす余裕を見せた。18歳の久保も見せ場を作った。

 だが、勝負になったのは前半まで。54分に2点目を許すと攻め手がなくなり、82分、83分と立て続けにゴールを奪われた。

 0-4というスコアが意味するものはなにか。私は、走力頼みのサッカーの敗北ではないかと考える。

 日本がまだ元気だった前半は、チリのパスワークについていくことができた。だが、後半はさすがに疲れが目立ち始める。後半立ち上がりも前から果敢にプレッシャーをかけたが、その背後を巧みに突かれるようになると、ボールへの出足が鈍くなり、チーム全体が下がり始めた。

 こうなるとペースは完全にチリのもの。日本は自陣に多くの選手がいるものの、敵のすばやい左右の揺さぶりについていけず、サイドを深くえぐられて失点を重ねることになった。

【次ページ】 南米相手に美徳は通用しない。

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