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20年ぶりのコパ・アメリカ取材!
ドバイ経由25時間空の旅の果て……。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKei Totsuka
posted2019/06/20 10:30
コパ・アメリカの日本の初戦、対チリ戦が行なわれたモルンビースタジアムの記者席。バックスタンドのコーナー付近の上からピッチを撮影。
あまりにもナイーブだった日本の初戦の負けかた。
日本でのテストマッチとはまったく異なる表情を見せる南米勢に、東京五輪世代を中心とした日本代表がどこまで対抗できるのか。若い選手が経験を積む機会というムードがチームを包んでいることに、僕は違和感に似た居心地の悪さを覚えていた。
ああっ、それだけに!
彼我の実力に経験を加味すれば、負けるのは覚悟しなければならない。
ただ、負けかたはある。
6月17日に行われたチリ戦の日本代表は、あまりにもナイーブだった。サッカーというよりスポーツでもっとも問われる原理原則──戦う姿勢で相手を上回ることを、最初から諦めていたかのようだった。
せっかくブラジルまで来たのだ。コパ・アメリカに出場しているのだ。
長時間のフライトに耐えたのは、森保監督と選手たちだって同じである。グループリーグだけで終わるのはもったいないし、終わることになったとしても得るものがあってほしい。地球の裏側から日本へ持ち帰るものには、20年ぶりの価値があるのだから。