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トルシエがチリ戦後に指摘した弱点。
「ベルギー戦のラストを思い出す」

posted2019/06/20 11:00

 
トルシエがチリ戦後に指摘した弱点。「ベルギー戦のラストを思い出す」<Number Web> photograph by Getty Images

トルシエが評価した上田綺世。チリの屈強なマーカーに苦しんだが、フィニッシュまで持ちこんだ。

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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Getty Images

「試合終了の1時間後に電話をくれ」

 事前にフィリップ・トルシエにはそう言われていた。ベトナム時間の午前9時、ヨーロッパ時間の午前4時である。

 だが、試合の30分後にトルシエから次のようなメッセージがあった。

前半は十分に評価。上田は良かった。

「日本が試合中に作り出したチャンスの数を考慮すれば、結果は試合の現実を反映してはいない。違いはゴール前の効率の差だった。チリの効率と個の経験、成熟さが違いを作り出した。しかし日本に勇気を与える内容だった。

 スタートからテンションの高い展開。ともにハイプレスをかけあったために、高度にテクニカルなプレーとパスの精度を求められる試合となった。日本が作り出したリズムが、チリのレベルを上げさせる結果となかった。前半はともに攻撃的なプレーで試合が完全に均衡。チリが先制点を決めるにはCKが必要だった。

 後半の日本は前半ほどではなかった。日本に前半のハイペースの疲れと、チリの成熟と経験が徐々に全面に出てきて、日本はコレクティブなプレーを維持しながらも攻撃はカウンターが頼りになった。しかしその攻撃は相変わらず危険で、13回のシュート機会のうち1回ないしは2回は決まっていてもおかしくはなかった。

 3-0となってからは試合が落ち着き、若い日本の守備陣に気落ちの面が少々見られた。最終的なスコアはシビアだが、日本のプレー、特にチリと対等に渡り合った前半は十分に評価に値した。大会の今後に向けてもいい経験になったハズだ。

 選手では上田(綺世)が良かった。中島(翔哉)も前半は素晴らしかった。他には久保(建英)と中山(雄太)、さらに植田(直通)と冨安(健洋)も屈強さを示した」

 メッセージに気づいてすぐにハノイの彼のもとに電話をかけ、インタビューが始まった。完敗に終わった試合をなぜポジティブに評価したのか。トルシエが語った。

【次ページ】 プレーの多様性を日本は欠いた。

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