野球のぼせもんBACK NUMBER
2勝7敗とロッテに苦戦のホークス。
要因は「甲斐を知り尽くすコーチ」か。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2019/05/24 07:00
昨年の日本シリーズで6度も盗塁を阻止し、育成出身選手初のシリーズMVPに輝いた甲斐拓也。ロッテ戦の配球に注目が集まる。
甲斐を見守ってきた清水コーチ。
育成からのし上がったことで有名な甲斐がプロ生活をスタートさせたのは2011年のこと。'13年のシーズン終わりに支配下登録をされたが、一軍ベンチに座れるようになったのは'16年からだ。この年は13試合出場。それでも6月から9月までの約3か月は3番手捕手の座を死守した。そして、翌'17年シーズンから一軍正捕手となった。
一方のロッテ清水コーチはというと、ソフトバンク時代の'12年から'15年までファームで、'16年からの2年間は一軍でバッテリーコーチを歴任した。
つまりは「甲斐のすべてを知り尽くすコーチ」だといっても過言ではない。配球のクセはもちろん、ミーティングでどんな研究をしているのかも古巣だから当然知っているだろう。また、ロッテは今季からデータ改革に2億円を投じて「チーム戦略部」を新設している。ロッテも膨大なデータを有効に活用する術を持っているわけだ。
球宴前の最後の3連戦。
甲斐のリードが読まれているのか否か。
シーズン真っ只中の今、その正解が明らかになることはあり得ない。しかし、何らかの対策を講じる時は来ているのではなかろうか。
敢えて裏をかいたリードを試すのか。それとも思いきって捕手を代えるか。しかも相手が混乱するような若手捕手に。
次回のソフトバンクとロッテの対戦はまもなく、5月24日から3連戦がZOZOマリンで組まれている。それが終わると、交流戦を挟むこともあり7月のオールスター明けまで対戦がなくなってしまうのだ。
まだあらゆる手を打てる時期だ。タカにカモは似合わない。今のまま勝負所を迎えるわけにはいかない。