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白鵬が貴景勝に出した注文を考える。
突き押し相撲は安定感が無いのか。 

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西尾克洋

西尾克洋Katsuhiro Nishio

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photograph byKyodo News

posted2019/05/11 15:00

白鵬が貴景勝に出した注文を考える。突き押し相撲は安定感が無いのか。<Number Web> photograph by Kyodo News

突き押しで大関に昇進した貴景勝が、ここからどんなスタイルでさらに上を目指すのだろうか

突き押し相撲は安定感がないか。

 だが、この議論の中で気になっていた意見がある。

「突き押し相撲はツラ相撲になりやすい」という指摘だ。

 ツラ(連)相撲というのは、連勝連敗が多い力士の相撲のことを指す。勝っているときは調子に乗って勝ち続けるが、一度負けると連敗しやすいということだ。

 突き押し相撲は当たりの強さに成績が依存する傾向が強いため、良い時はどんな相手にでも勝てるが、当たりに迷いが生じると修正しづらく、連敗から脱出するのが難しいと言われている。

 果たして本当にそうなのだろうか。

「ツラ相撲」というのは相撲界に長年ある概念だが、考えてみると数字の面から立証したことは無かった。確かになんとなく突き押し相撲の力士が連勝連敗しているイメージはあるが、先入観も手伝って印象に残りやすい可能性もある。

 もしかすると突き押し相撲に特化した力士たちが、「ツラ相撲」という言葉によって成長の可能性を狭められてきた可能性もあるのだ。平成が終わり、令和が始まる今だからこそ、古くから語られてきた「ツラ相撲」の実態に迫りたいと思う。

3連勝と3連敗を数える。

 まず、「ツラ相撲」の検証方法を考える。

 ツラ相撲の連勝・連敗として、年6場所制になって以降で十両以上の力士が記録した3連勝と3連敗の回数と比率を抽出することにした。連勝・連敗が長ければそれだけツラ相撲としての強度が上がることを考慮し、1~3日目、2~4日目……13日目~千秋楽という連続した3日の全ての日を対象とするので4連勝であれば3連勝が2回、5連勝していれば3回という形で評価する。

 また、横綱大関に昇進した力士は連勝が多くなることから、大関昇進前のみの数字をサンプリングする。

 そして連勝連敗が多いという定義に立ち返ると、全体の力士の中で連勝比率も連敗比率も両方高い力士を「ツラ力士」と呼ぶことにする。

【次ページ】 連勝も連敗も多い力士は全体の2割。

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