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無敗の皐月賞馬=名馬という歴史。
サートゥルナーリアは本当に1強か。
posted2019/04/13 09:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
トウカイテイオー、ミホノブルボン、アグネスタキオン、ディープインパクト。
平成に入ってから無敗で皐月賞を制した馬たちである。みな歴史的名馬だ。
今週の第79回皐月賞(4月14日、中山芝2000m、3歳GI)の出走馬にも、そこに名を連ねる可能性のある馬が2頭いる。
昨年のホープフルステークスを制したサートゥルナーリア(牡、父ロードカナロア、栗東・角居勝彦厩舎)と、前走の共同通信杯で2歳王者を下したダノンキングリー(牡、父ディープインパクト、美浦・萩原清厩舎)である。
平成17(2005)年のディープインパクト以来14年ぶりの無敗の皐月賞馬になる可能性がもっとも高いと目されているのは、「一強」とも言われているサートゥルナーリアだ。
昨年12月28日のホープフルステークス以来、中106日と間隔をあけての実戦となるが、先週の桜花賞を同じノーザンファーム生産のグランアレグリアが中111日で勝ったばかり。関西馬のサートゥルナーリアがレースとレースの合間を過ごす外厩はノーザンファームしがらきで、関東馬のグランアレグリアはノーザンファーム天栄という違いはあるが、施設面も技術面も同等と見ていい。
最近はレース間隔は問題ではない?
「今の競馬は、一走の負担度が、昔より断然高くなっています」
そう話したのは、昨年、ブラストワンピースで有馬記念を制した大竹正博調教師だ。ブラストワンピースも間隔をあけながら使われる馬として知られている。
「レース後は、時間をかけてしっかり疲れを取り除いてから、次のレースに向けた負荷をかけなければならない。疲れを取ろうとする期間と、負荷をかける期間とが重なってしまうと、GIの舞台では厳しくなるという印象があります」
間隔をあけなければならないからこそ、中間の外厩でのケアが大切になってくる。と同時に、外厩で中間のケアと仕上げを高いレベルで行えるようになったので、レース間隔をあけることができるようになった、という側面もある。