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桜花賞をグランアレグリアが圧勝。
影も踏ませない完璧な2馬身半差。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byKyodo News

posted2019/04/08 11:20

桜花賞をグランアレグリアが圧勝。影も踏ませない完璧な2馬身半差。<Number Web> photograph by Kyodo News

桜花賞でダノンファンタジーを含めた後続をちぎったグランアレグリアが、世代最強の筆頭であることは間違いない。

前方につけ、力で押し切った。

 今年の桜花賞は、前半800mが47秒7、後半800mが45秒0と、後半のほうが速く、最後の瞬発力勝負となる後傾ラップだった。

 総じて後傾ラップのときは、先行した馬に有利と言われている。昨年は前半46秒6、後半46秒5という、前の馬にも後ろの馬にもチャンスのある平均ペースだった。その流れを後方から一気に差し切ったアーモンドアイの強さは凄まじいものだったが、今年のグランアレグリアの勝ちっぷりは、別の意味で強烈だった。

 序盤は、先頭から差のない4番手を引っ張り切りの手応えで追走した。3コーナーを回りながら、馬の行く気に任せて進出。ラスト800m地点では、早くも先頭に取りつこうとしていた。そのまま直線に入り、内に進路を取りながら楽に抜け出し、後続の追い込みを完封した。

自分から動いて後続の脚を削る。

「朝日杯から勉強しました。前回は速い脚を使えなかった。だから、今日は4コーナーから動いた。そこからゴールまで、いい脚で加速しました」とルメール。

 朝日杯では、直線、勝ったアドマイヤマーズに一気に馬体を寄せられ、内にモタれてしまった。牡馬の迫力に威圧されたことが敗因だった。その反省を生かし、牝馬同士のここでも、一気に来られてトラウマが蘇らないよう、自分から動いて後続になし崩しに脚を使わせた。

 レースの後半のラップは、800m45秒0、600m(3ハロン)33秒3だったのだが、それはほぼグランアレグリア自身が刻んだラップだった。これを後ろから差し切るには、とてつもない末脚を使わなければならない。現に、シゲルピンクダイヤは上がり3ハロン32秒7の脚を使ったのだが、2馬身半差の2着に追い上げるのがやっとだった。

 ダノンファンタジーは、道中、グランアレグリアの1、2馬身後ろの外を進んでいた。そして、早めに動いたグランアレグリアを追いかけて行ったのだが、騎乗した川田将雅が「勝ち馬を追いかけざるを得なくなったぶん、苦しくなった」と話したように、長く脚を使わされて伸び切れず、4着に終わった。

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