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2歳女王に唯一、土をつけている!
桜花賞はグランアレグリアに期待。
posted2019/04/06 08:30
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Eiichi Yamane/AFLO
「伝説の新馬戦」と呼ばれるレースがある。
古くは1976年1月31日、東京芝1400mで行われた18頭立ての旧4歳新馬戦。
1番人気に支持された「天馬」トウショウボーイが、2着に3馬身差をつけて逃げ切った。そのレースで4着となったのは、のちに「TTG三強」の一角としてライバルとなるグリーングラスだった。そして、5着となった牝馬シービークインは、4年後、トウショウボーイとの間に '83年の三冠馬ミスターシービーを産む。
のちに出世した馬の数で、それをさらに上回っていたのは、2008年10月26日、京都芝外回り1800mで行われた11頭立ての2歳新馬戦だ。
好位から抜け出して勝ったアンライバルドは翌'09年の皐月賞を制覇。2着のリーチザクラウンは'09年のきさらぎ賞を優勝、さらにダービーで2着となるなどクラシックを賑わせた。3着のブエナビスタは'08年の阪神ジュベナイルフィリーズ、'09年の桜花賞、オークスなどGIを6勝。4着のスリーロールスは'09年の菊花賞を制した。実に3頭がGIホースになったのである。
'76年の東京新馬戦も、'08年の京都新馬戦も、終わってすぐ「伝説」になったわけではない。出走馬たちがその後活躍したがゆえに、「伝説」として光を当てられるようになったのだ。
「伝説」になった'18年東京新馬戦。
今年の第79回桜花賞(4月7日、阪神芝外回り1600m、3歳牝馬GI)にも、自分たちのデビュー戦を「伝説の新馬戦」にした馬たちが出てくる。
昨年の2歳女王ダノンファンタジー(父ディープインパクト、栗東・中内田充正厩舎)と、牡馬相手の朝日杯フューチュリティステークスで3着となったグランアレグリア(父ディープインパクト、美浦・藤沢和雄厩舎)である。
2頭がデビューしたのは、世代にとっての開幕週だった昨年6月3日、東京芝1600mで行われた2歳新馬戦だった。出走馬は15頭。