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J2京都内定の帝京長岡・谷内田哲平。
久保らに続き「世代の象徴に」。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/04/07 08:00
今年1月の高校選手権で活躍した谷内田哲平。J2京都へは来期から加入となるが、特別指定を勝ち取り、年内でのデビューを目指す。
ユースと高体連の違い。
だが、谷内田にとってJリーグデビューへの道のりは決して平坦ではない。まずは京都での特別指定選手にならないといけないのだ。
Jクラブユース所属の選手であれば、高校卒業を待たずして2種登録をし、トップチームの試合に出ることが可能、活躍如何ではプロ契約に切り替えることもできる。実際に堂安や冨安も高2で2種登録され、高3の段階でプロ契約を結び、Jリーグの舞台で躍動した。
香川真司もJユースではなかったが、FCみやぎバルセロナという仙台の街クラブ(日本クラブユース連盟所属のクラブ)から高2時にセレッソ大阪とプロ契約を結び、学校を通信制高校に切り替えて大阪にやってきた。昨年でいえば、三菱養和SCユースの中村敬斗が高2でガンバ大阪とプロ契約を結んだ。
一方で高体連になると一気にそのハードルは上がる。Jリーグの試合に出るためにはまずはオファーをもらったJクラブと仮契約を結んで内定を発表し、さらに試合に出るためには特別指定選手にならないといけない。
特別指定選手は高校、大学などの内定選手のうち1チーム3人まで登録をできる、高体連所属選手は強豪校であればあるほど、リーグ戦、インターハイ予選とインターハイ本選、選手権予選と選手権本選と年間スケジュールが詰まっている。その中でも春休みや夏休みなどを利用して内定クラブに加わることはできるものの、そのクラブが遠方であればあるほど、頻繁に合流することは難しい。
それゆえにクラブも内定したからといって、よほどのタレントでない限り、すぐに特別指定にしてチームに帯同させて、試合に出すのは難しく、その枠はより即戦力に近い大学生内定選手に使われることが多い。
J2京都はカップ戦がない。
その現状に対し、谷口総監督は「サンガさんはルヴァンカップがない分、本当にフラットな実力で出番を勝ち取らないといけません。それこそ中田一三監督も就任1年目でピリピリしていて、“単発でくる”だけの高校生を使わないと思う。本当に実力で勝ち取らないといけない状況だからこそ、(京都サンガに)1日でも長く参加して、厳しい環境でプレーさせたいと思っています。まずは自分の力を示さないと特別指定すらもらえないわけですから」と口にする。