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レジェンドに挑む「ネクストジェン」。
フェデラーは世代交代を恐れない。
posted2019/04/04 10:30
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
Getty Images
来るべき顔ぶれがついにセンターステージで暴れ始めた。
先週、今シーズン2つ目のマスターズ大会となるマイアミ・オープンでカナダ人の2人の若者が旋風を吹かせた。
19歳のデニス・シャポバロフと、18歳のフェリックス・オジェアリアシム。
ともにグランドスラム・ジュニアのタイトルを持つ逸材が、揃ってベスト4に進出した。マスターズで10代が2人ベスト4入りしたのは、2007年の同じマイアミで当時19歳だったノバク・ジョコビッチとアンディ・マレー以来だ。
さらにベスト8には21歳のフランシス・ティアフォーが入り、先のインディアンウェルズでも19歳のミオミル・ケツマノビッチ、22歳のホベルト・ホルカシュが初めてマスターズのベスト8に進出していた。
この世代の中では図抜けた存在のアレクサンダー・ズベレフ、猛追するステファノス・チチパスがこの2大会では振るわなかったが、この世代の人材は実に豊かだ。
「ネクストジェン」の台頭。
彼らの多くに共通することはフィジカルの強さを感じさせるパワーと、そのパワーだけに頼らない多彩なテクニック。シャポバロフとチチパスは片手打ちバックハンドで、巧みなネットプレーも披露してオールドファンを喜ばせる。
ATP(男子プロテニス協会)が若いスターを育てるために撒いた「ネクストジェン」キャンペーンの種は、順調に蕾を膨らませ、花を咲かせている。
そしてもう1つ、このブームの背景に大きく起因するのは、ロジャー・フェデラーの存在があるだろう。フェデラーの長寿現役がもたらすメリットは計り知れず、次世代スターの成長にも寄与している。