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ベテランとの敗戦で見えてきた、
“世界1位”としての大坂なおみの課題。

posted2019/03/25 11:20

 
ベテランとの敗戦で見えてきた、“世界1位”としての大坂なおみの課題。<Number Web> photograph by Getty Images

スーウェイの熟練技の前に足をすくわれた大坂。次戦はドイツで行われるポルシェ・グランプリだ。

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吉谷剛

吉谷剛Tsuyoshi Yoshitani

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 大坂なおみはマイアミの波に乗り損ねた。

 白砂のビーチと青い海が見渡せるキービスケーンから、内陸にあるNFLドルフィンズの本拠地ハードロック・スタジアムへ会場を移したマイアミ・オープン。ハードコートの色も昨年までのパープルから、海を連想させるオアシスブルーへと変わった。

 自宅を構えるボカラトンから近く、新装された地元大会に世界ランキング1位として挑んだ大坂は3回戦でシェイ・スーウェイに6-4、6-7、3-6で逆転負けを喫した。

 ライジングで打つカウンター、相手をいら立たせるドロップショットやストロークのリズムを変えるスライス。

 台湾出身の33歳が繰り出す熟練の技の術中にはまった大坂は「ダウンザラインに打たれ、クロスコートでもやられた。予想しづらいプレーだった。彼女は自分が打ちたいところでウィナーを取る力がある。ただ相手がどうというのではなく、自分が未熟だった」と敗因を語った。

大坂「気持ちが乱れた」

 寄せては打ち返す波で、大坂は勝利への波を一度はつかみかけた。

 第1セットは1-4から挽回。シェイ・スーウェイのテンポにも焦らず、じっくりとラリーで試合を立て直し、相手のミスを誘い出す形を作り出した。6-4で奪い、第2セットもこの流れを継続して5-4のサービングフォーザマッチへ、勝利目前に迫った。

 しかし、この第10ゲームで大坂は30-0からサーブが乱れ、自分で波から降りてしまう。2つのダブルフォールトで30-40となり、焦りから放ったバックハンドのダウンザラインが線を越える。

「勝利への意識」を聞かれた大坂は「無意識のうちにそうなった。なぜかは分からないが、気持ちが乱れた。少し普通ではなくなった」。世界1位の重圧との関係については「うまくそのストレスには対処できているつもりだった。でもそうじゃなかったのかも」。気持ちのぶれを立て直せないまま、第2セットをタイブレークで失った。

【次ページ】 シェイ・スーウェイの信念。

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