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レジェンドに挑む「ネクストジェン」。
フェデラーは世代交代を恐れない。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2019/04/04 10:30
2017年のレーバーカップでアレクサンダー・ズベレフ(左)と話をするロジャー・フェデラー(中)とビヨン・ボルグ(右)。
フェデラーはよく「見る」。
若い才能のチェックにも余念がない。フェデラーは'16年のウィンブルドンでジュニアの準決勝を戦ったシャポバロフとチチパスの試合を見ていたという。そして、その2年も前からシャポバロフのことは知っていた。トロントのマスターズで、まだ15歳にしてフェデラーの練習相手に抜擢されたシャポバロフと打ち合い、その強打力と動きの美しさに驚いたそうだ。
「すごく印象的だった。歳を聞いて、びっくりしたよ。一体どれほどすごい選手になるだろうと思ってね」
その印象があったから、ジュニアの勝負にまで関心を寄せたのだろうが、とにかくトップ選手でフェデラーほどテニスを「見る」ことが好きな人はいないといわれる。ジュニアだろうが、女子だろうが、よく見ているのである。
そんなフェデラーはまるで自ら未来に向けてテニス界を演出しているようでもあるが、世代交代劇のクライマックスは近づきつつも、まだ遠そうだ。
そんな中、まもなくクレーコートシーズンが始まる。過去2年はクレーをスキップしていたフェデラーも今年は参戦するという。強いて言うならクレーが1番苦手のフェデラーに、新鋭たちはどう挑むだろうか。楽しみは続く。